僕の生存日記 第1話:僕らはみんな終わってる
それはある春の日のことだった――
この小竜高校(こたつこうこう)に入学して1ヶ月。未だに周りに溶け込めずにいる僕。
名前は『川野辺 葉乃 (かわのべ はの) 』。ごく普通の平凡な男子高生――
「はぁ……」
沈む夕日を背に、家路に着いた僕はその辺に落ちていた空き缶を蹴り飛ばす。
思えば――
小学校、中学校も変わらなかった。
少ない友達、楽しくない毎日。楽しそうにグランドで遊ぶクラスメートを影から見ている日々。
高校に入ったら、変わろうと思っていた。
何も変わらなかった。こうして、一人で歩いている。
もう一度大きな溜め息を吐くと、思いっきり缶を遠くへ向かって蹴り飛ばした。
ガコンッ!!!!
いい音がした。
前を行く人の後頭部に、それがクリーンヒットしていた。
「あ……」
その人が振り返る。
禿げ上がった頭、光る黒いサングラス、頬に斜めに入る刀傷。――その風貌は、どう見てもヤクz……
「語、ゴメンな差ああああああああああああああああああああい!!!!」
妙ちくりんな変換をしてしまうくらいに動揺して、僕はその場に土下座をしていた。
そいつが自分の前に歩いてくるのを感じる。
あぁ、もうこれで終わりか。終わりですか。早いな。
まだ物語始まったばかりでしょ?あれ?おかしーなー
15年生きてきたわけですけども、こんなに脂汗かいたのは初めて☆
皆!ご愛読のほど、今まで本当にありがとうございました――
「オイ」
どすの利いた声で、そいつは言った。
もう本当に。どう見てもヤクザです。本当にありが(ry
ヤクザは僕の腕を掴むと、無理矢理引っ張り上げて、こう言った。
「お前、いい腕してるじゃねーかよ」
――……ハイ?
ヤクザがじろじろと僕を見て続ける。
「この腕、なかなかなもんだ」
「えぇぇぇ。ぼ、僕の腕なんか、生っ白くて使いものになりませんよ!!」
ヤクザのわけの分からない言葉に、半泣きで訴える。
ヤクザは言った。
「バカヤロウ!そうじゃねーよ!缶蹴りだよ!缶蹴りの腕!!」
「……は?」
「俺の後頭部に直撃たぁ、ナイスキック!ファインプレーだぜ!!」
ヤクザはサングラスの向こうで目を輝かせながら言った。
「よし!お前、今からちょっと俺に着いてこい!!!!」
「え、えぇぇぇぇぇぇぇ!!??」
僕の叫び声がこだました。
「ちょ、ちょっと待ってください。どうする気ですかぁ!?」
「あぁん?逆らう気か?」
ヤクザが手を胸元に突っ込んで何かを出す仕草をした。
「ごめんなさい。喜んで行かせて頂きます」
「それでいーんだよ」
……こうして、僕はヤクザに連れて行かれる羽目になってしまったのだった……
僕の高校生活――いや人生は、ここで終わったかもしれない。
それはある春の日のことだった――
この小竜高校(こたつこうこう)に入学して1ヶ月。未だに周りに溶け込めずにいる僕。
名前は『川野辺 葉乃 (かわのべ はの) 』。ごく普通の平凡な男子高生――
「はぁ……」
沈む夕日を背に、家路に着いた僕はその辺に落ちていた空き缶を蹴り飛ばす。
思えば――
小学校、中学校も変わらなかった。
少ない友達、楽しくない毎日。楽しそうにグランドで遊ぶクラスメートを影から見ている日々。
高校に入ったら、変わろうと思っていた。
何も変わらなかった。こうして、一人で歩いている。
もう一度大きな溜め息を吐くと、思いっきり缶を遠くへ向かって蹴り飛ばした。
ガコンッ!!!!
いい音がした。
前を行く人の後頭部に、それがクリーンヒットしていた。
「あ……」
その人が振り返る。
禿げ上がった頭、光る黒いサングラス、頬に斜めに入る刀傷。――その風貌は、どう見てもヤクz……
「語、ゴメンな差ああああああああああああああああああああい!!!!」
妙ちくりんな変換をしてしまうくらいに動揺して、僕はその場に土下座をしていた。
そいつが自分の前に歩いてくるのを感じる。
あぁ、もうこれで終わりか。終わりですか。早いな。
まだ物語始まったばかりでしょ?あれ?おかしーなー
15年生きてきたわけですけども、こんなに脂汗かいたのは初めて☆
皆!ご愛読のほど、今まで本当にありがとうございました――
「オイ」
どすの利いた声で、そいつは言った。
もう本当に。どう見てもヤクザです。本当にありが(ry
ヤクザは僕の腕を掴むと、無理矢理引っ張り上げて、こう言った。
「お前、いい腕してるじゃねーかよ」
――……ハイ?
ヤクザがじろじろと僕を見て続ける。
「この腕、なかなかなもんだ」
「えぇぇぇ。ぼ、僕の腕なんか、生っ白くて使いものになりませんよ!!」
ヤクザのわけの分からない言葉に、半泣きで訴える。
ヤクザは言った。
「バカヤロウ!そうじゃねーよ!缶蹴りだよ!缶蹴りの腕!!」
「……は?」
「俺の後頭部に直撃たぁ、ナイスキック!ファインプレーだぜ!!」
ヤクザはサングラスの向こうで目を輝かせながら言った。
「よし!お前、今からちょっと俺に着いてこい!!!!」
「え、えぇぇぇぇぇぇぇ!!??」
僕の叫び声がこだました。
「ちょ、ちょっと待ってください。どうする気ですかぁ!?」
「あぁん?逆らう気か?」
ヤクザが手を胸元に突っ込んで何かを出す仕草をした。
「ごめんなさい。喜んで行かせて頂きます」
「それでいーんだよ」
……こうして、僕はヤクザに連れて行かれる羽目になってしまったのだった……
僕の高校生活――いや人生は、ここで終わったかもしれない。