エンタメクラブ   Act.3:初めての活動

 ――ナニヲイッテイルノデスカコノヒトハ?
「鬼ごっこ? 鬼ごっこっていうか、かくれんぼ? まぁどっちでもいーや」
「いやいやいや、なにを言っているんですか、あなたは」
 そのとつぜん発した意味不明な言葉に、おもわず私はツッコむ。が、
「いや、だから、鬼ごっこだって。なに、笑ちゃん、鬼ごっこ知らないの?」
 私はべつにそーゆーことを訊いているんじゃない。
「鬼ごっこで勝敗決めよう! 勝敗ってか、鬼ごっこして、勝ったほうのやりたいことをする。言うことを聞く。ってことで!」
 ――へぇー?
 みんな、驚いて着ぐるみ理事長を見る。
 しかし、1人だけ違ったようで……。
「なんだか面白そうですねぇ♪」
 ――えぇ!?
 そんな言葉を発したのは、私の後ろで、一緒に本を読んでいた彼女――茜さんだった……。
「でしょ!? これなら平和的に万事解決じゃん! えーっと、千種 茜ちゃん……だっけ? キミも一緒にやる? てか、なんか一緒に本読んでたみたいだし、いっそのこと、やっぱりユーも入っちゃいなヨ!」
「んー……。そうですねぇ……」
 少し考える茜さん。おいおい……。
「わかりました。いいですよ」
 ――おいおいおい!
 茜さんを捕まえて、おもわず声を上げる。
「ちょっと、いいの!? だって、前に勧誘したときだって微妙そうだったのに!」
「けっきょく、笑ちゃんと一緒にこうやって放課後に来てるんだったら、まぁべつに構わないかな。と」
 ――うん、まぁ、たしかにね……。
 茜さんの返答に納得して頷く私だった。
 しかし、それにしても、鬼ごっこって……。
 着ぐるみ理事長は、ニッと笑うと、
「とにかく! 鬼ごっこして、笑ちゃんが勝てば笑ちゃんの好きなように、そう、このままみんなで読書続けてくれて構わない。で、ヒロ君が勝てばヒロ君の好きなことやっていいよ。帰ってもいいし、別のなにかをやってもいいし。もしくは、なにか言うこと聞かせるでもいいし?」
 そう提案する。
「質問。2人以外の……たとえば、俺とかが勝った場合は?」
 片腕を上げて、葉山が着ぐるみ理事長に尋ねた。
「もちろん、はっちゃんの好きなことやっていいよ? 笑ちゃんと1日デートとかでも」
 ――は!?
「え、えぇ!?」
 葉山も妙な声を出して困っている。
「おい。目的変わってるぞ」
 森がツッコむ。まったくだ。なにを勝手なこと言っているのか。
「まぁまぁ。ともかく、みんな、異議はないね?」
 着ぐるみ理事長が、全員の顔を見回して尋ねる。
 みんな、ゆっくりと頷いた。
「よし。じゃあ、ルールということで、逃げる範囲・隠れる範囲は、この学園の……さすがに全部は広過ぎるから、高等部のこの建物内を全部ってことで。部室棟とか、そういう別の建物はナシね。鬼は100を数えたら、みんなが逃げ終わってなくても捜索開始。逃げるほうは、どっかに隠れてもいいし、逃げ続けてもいいし。鬼に捕まえられなきゃ大丈夫ってことで。ちなみに、鬼に捕まった人は、その人も鬼になるってことで。時間は下校時刻まで……だいたい1時間ちょっとかな? それまでに鬼が全員見つければ最初に鬼になった人の勝ちで、見つからない人がいたら見つからなかった人の勝ち。見つからなかった人が複数の場合、じゃんけんで勝敗決めるってことでどう?」
 再び頷く。
 着ぐるみ理事長は、それを満足そうに見ると、
「よし、ではさっそく、始めますか」
 彼女は腕を振り上げた。そして、みんなも――
 そして、着ぐるみ理事長が声を上げる。
「出っさなきゃ負っけよー♪ じーゃんけん――」