エンタメクラブ   Act.6:君は太陽

「どういうことなのさぁ――!?」叫ぶように訴える。「説明してよ!」
「じゃあ、説明するよぉー……っと、その前に、次のペアが来ちゃうから! また準備しないと! 松も茜ちゃんも、また外で隠れて待機しててね! そこのおアツイお2人さんは――」
 ――って、また余計なこと言うし! というか、説明してくれないし!
「邪魔しないでいてくれるなら、中にいても外にいてもどっちでもいいよ? 見えないとこに隠れててね?」
「その前に説明してよー!」
 再び訴える――が、
「そんな時間ないよぉ。邪魔するなら説明もしないよ?」
 あっさり華藤さんにそう言われてしまうのだった。
 ……華藤さんはずっとメガネを外しているのだけど、この状態の華藤さんはいつもの静かな華藤さんとは違って、どっちかというと――着ぐるみ理事長と方向が似ている、うん……。
 私達は大人しく、全員が終わるのを待つことにした。

「きゃーっ!?」
「うわっ!?」
「ドッキリ成功ー!」

「キャ――――――――ッ!! なにこれ、なにこれ! ちょっと、あんたどうにかしなさいよおぉ!」
「そんなこと、言われても……ぐぇ」
「ストップストップ! 宵ちゃん! 葉山の首絞まってる!」

 ――そんなこんなで。
 あすちゃん&高木くんペア。そして、宵ちゃん&葉山ペアも無事(?)に終わり、私は再び華藤さんに詰め寄った。
「どういうことなの?」
「それは――」
「それは私が説明しようじゃないかー!」
 まさに華藤さんが説明を始めようとしたそのとき、そいつは現れた。
 そう、おわかりのとおり――
「絵夢理事長様こと着ぐるみ理事長、参・上☆」
 キラリ☆ と、効果音でもつきそうな勢いでウインクをかます。
 私はその着ぐるみ理事長につかつかと歩み寄ると――
 ガッ!
「ぐぇっ」
 首元を掴んで捻り上げてやった。
「さて、説明してもらいましょうか? こんなくだらないドッキリを仕掛けたこととか、こんなに恥ずかしい目に遭わせたこととか、なんでこんなことをしようと思ったのか。えぇ、えぇ。洗いざらい全部話してもらいましょうか?」
「え、え、笑ちゃんっ……! ギブ……ギブ――――!」
 そう声を上げながら手足をばたばたさせる着ぐるみ理事長。
 ――酷いなぁ。こんなに笑顔で言ってあげてるのにね。
 私はぱっと手を離した。
「ぜーぜー……。え、笑ちゃん……笑顔が怖いよ……」
「誰のせいでしょうねぇ?」
「木谷……」
 着ぐるみ理事長は体勢を整えると、コホンと1つ咳払いをした。
「それじゃあ、説明しますよ。まず、この怪談話の真相を――」