グローリ・ワーカ 第2章:災難
「……くー、くぉ――っ…………」
マニュアは眠っている。
宿で借りることのできた2階の角部屋に入り、ベッド入ったとたん、これである。
リナはその様子を見ると、笑いながらすぐに帰っていった。
「マニュアちゃんはのん気だなぁ……」
ティルが、そんなマニュアを見て呟いた。
「よだれ垂れてるし……ι」
「くぉーくぉー……」
「はぁ。こっちも眠いから寝よー」
勢いよく伸びをするティル。
ふと振り返ると、もう1つ残されているはずのベッドには――ストームが寝ていた。
「ぐー、ぐー……」
「って、こらぁ! ストーム!! 自分の部屋で寝なさい!」
だが、一向に起きる気配はない。
「もぉ! ちょっと! 魔物呼ぶよぉ!!」
おもわず大きな声で言ってしまい、慌てて口を手で押さえた。
もし、町の人に聞かれたなら大変なことになる。
しかし、大丈夫だったようで、特になにも誰も言ってこなかった。
「もぉ――――っ!! とにかく、どっか行って!」
ポッポー、ポッポー……。
鳩時計が6回ほど鳴った。すでに外は夕日が落ちた後だった。
「ふぁ~」
鳩時計の音で目覚めたマニュア。
「んー……」
横ではティルが眠っている。
それをぼーっとした頭で見て、
「……もう1回寝よ」
そう決めて、再度ベッドに潜り込んだ直後。
ガタガタガタ……。
下から、妙な物音が聞こえた。
「な、なにっ!?」
マニュアは飛び起きた。
静かに息を飲み、耳を凝らしてみると――
ガタガタガタ……。
たしかに、また聞こえた。
「1階から、する……。作者、なんなのか見てきて」
だからー……そーゆーことを作者に頼むなよ!ι
「もーいいよー! ケチ! 私が行くよ! ……っと、でも、やっぱり怖いからティルちゃん起こそ」
そうこう言っているうちにも、下から音は止まずに聞こえてきた。
「ティルさーん……起きてくださ――い……」
「う、うん……マニュア……?」
「そうそう。起きて! ティルちゃん!」
「うーん……あと少し……」
ティルは寝返りを打つと、向こうを向いてしまった。
「だああああぁぁっ!! もういい! 1人で行く!」
お。その意気だ! がんばれマニュア。負けるなマニュア。明日が君を待っている!
「うぅーナレーションはいいねぇ。のん気で! あぁー! マジでドキドキする!!」
高鳴る鼓動を抑え、乾いた喉を湿らせると、マニュアはゆっくり階段を降りていく……。
この後、起こる事件を今はまだ知らずに――
「え!? 今、なんて言った!?」
……そーゆーのを聞いてちゃだめだよ……。
「聞こえたんだからしょーがないだろ! で、事件って!」
気にするな♪
「するわ――――――――っっ!!!!」
だいたい、今回のサブタイトルもサブタイトルだしね。
「サブタイトル――『災難』……あぁっ!? なんだー! このタイトルは――!?」
今気付いたのか……遅いな。
「じゅうぶん、もう災難だっつーに!!」
大丈夫。次回に続くから。
「なにが大丈夫か――――!? 事件なんて、じょーだんじゃないぞおおおおおお――――!!!!」
マニュアの悲痛な叫びが、遠くの山までこだました。
「……くー、くぉ――っ…………」
マニュアは眠っている。
宿で借りることのできた2階の角部屋に入り、ベッド入ったとたん、これである。
リナはその様子を見ると、笑いながらすぐに帰っていった。
「マニュアちゃんはのん気だなぁ……」
ティルが、そんなマニュアを見て呟いた。
「よだれ垂れてるし……ι」
「くぉーくぉー……」
「はぁ。こっちも眠いから寝よー」
勢いよく伸びをするティル。
ふと振り返ると、もう1つ残されているはずのベッドには――ストームが寝ていた。
「ぐー、ぐー……」
「って、こらぁ! ストーム!! 自分の部屋で寝なさい!」
だが、一向に起きる気配はない。
「もぉ! ちょっと! 魔物呼ぶよぉ!!」
おもわず大きな声で言ってしまい、慌てて口を手で押さえた。
もし、町の人に聞かれたなら大変なことになる。
しかし、大丈夫だったようで、特になにも誰も言ってこなかった。
「もぉ――――っ!! とにかく、どっか行って!」
ポッポー、ポッポー……。
鳩時計が6回ほど鳴った。すでに外は夕日が落ちた後だった。
「ふぁ~」
鳩時計の音で目覚めたマニュア。
「んー……」
横ではティルが眠っている。
それをぼーっとした頭で見て、
「……もう1回寝よ」
そう決めて、再度ベッドに潜り込んだ直後。
ガタガタガタ……。
下から、妙な物音が聞こえた。
「な、なにっ!?」
マニュアは飛び起きた。
静かに息を飲み、耳を凝らしてみると――
ガタガタガタ……。
たしかに、また聞こえた。
「1階から、する……。作者、なんなのか見てきて」
だからー……そーゆーことを作者に頼むなよ!ι
「もーいいよー! ケチ! 私が行くよ! ……っと、でも、やっぱり怖いからティルちゃん起こそ」
そうこう言っているうちにも、下から音は止まずに聞こえてきた。
「ティルさーん……起きてくださ――い……」
「う、うん……マニュア……?」
「そうそう。起きて! ティルちゃん!」
「うーん……あと少し……」
ティルは寝返りを打つと、向こうを向いてしまった。
「だああああぁぁっ!! もういい! 1人で行く!」
お。その意気だ! がんばれマニュア。負けるなマニュア。明日が君を待っている!
「うぅーナレーションはいいねぇ。のん気で! あぁー! マジでドキドキする!!」
高鳴る鼓動を抑え、乾いた喉を湿らせると、マニュアはゆっくり階段を降りていく……。
この後、起こる事件を今はまだ知らずに――
「え!? 今、なんて言った!?」
……そーゆーのを聞いてちゃだめだよ……。
「聞こえたんだからしょーがないだろ! で、事件って!」
気にするな♪
「するわ――――――――っっ!!!!」
だいたい、今回のサブタイトルもサブタイトルだしね。
「サブタイトル――『災難』……あぁっ!? なんだー! このタイトルは――!?」
今気付いたのか……遅いな。
「じゅうぶん、もう災難だっつーに!!」
大丈夫。次回に続くから。
「なにが大丈夫か――――!? 事件なんて、じょーだんじゃないぞおおおおおお――――!!!!」
マニュアの悲痛な叫びが、遠くの山までこだました。