僕の生存日記 番外編3:事件は遊園地裏で起こしてた(第7話裏)
俺、『千羽 緋路』は『神成 躍人』と共に、『川野辺 葉乃』と『黒井 姫』の仲をぶち壊そうと奮闘中。俺は、負けない。今回、『今池 輝也』は無関係です。
なぜだ。なぜこんなに上手くいかない?
その後も色々罠を仕掛けているのだが、一向に成功する気配はない。気付けば、もうお昼も近い。
葉乃と黒井姫の2人もお腹が空き始めたのか、フードコートへと入っていった。
……よし! ここで、先ほどと同じだが、次の作戦だ!
今度は、食事を運んでいる黒井姫の足に再びピアノ線をかけて転ばせる。タイミングが合えば、葉乃にその食事をぶっかけられるはず!
きっと、葉乃のことだから悩んで買った新品の服だろう。それを汚されれば、今度こそ、さすがに怒って嫌いになるだろう……!
まさか、まさかもう、許すなんて、しないよな……?
「キャッ……!?」
再び罠にかかる黒井姫。
しかも、俺の狙い通り。黒井姫の持っていた食事は見事葉乃に命中した。
「だ、大丈夫……?」
それなのに、心配したように食事をぶっかけた張本人に声をかける葉乃。いや、罠を張ったのは俺だけど……。
「ああああああぁぁぁぁ!!!! す、すいません……!! 服が……! ごめんなさいぃ……!!」
平謝りの黒井姫。
そんな黒井姫に、葉乃は驚きの言葉を返した。
「だ、大丈夫だよ。後で代わりのTシャツ買うから……」
「じゃ、じゃあ、後で、あの、Tシャツのお金を……!」
「いやいや、気にしないで。ほ、ほら、それより、もう1度お昼買ってきたら?」
「でも……」
「いいからいいから」
「うぅ……す、すいません……」
――…………。『大丈夫』……?
なんで、なんで怒らないんだよ、葉乃……。
転んでしまったのが、もし、俺だったら――? 葉乃は、怒らないでいてくれただろうか? 嫌いにならないでいてくれるだろうか――?
俺は食欲も失せて、1人フードコートから出た。
「あれ? おーい! ご飯食べないのか? 千羽クーン?」
神成躍人が後ろから呼んでいる声が聞こえたが、そんな気分には到底なれなかった。
――まぁ。諦めるつもりなんてないがな!!!!
気持ちを切り替え。俺が、ドクロを売りつけようとした時に隙を見て、こっそりと葉乃につけた俺作盗聴器で盗聴する。
2人が次に向かおうとしているアトラクションを確認すると、俺は携帯電話をさっと取り出した。
ふふふ……。
必殺! 人海戦術!!
こんな時のために用意した中学校のコンピュータ部、元後輩たち!
ピピピッっとすぐさま連絡を取る!
「おい、おまえたち! ちゃんと遊園地には来てるか!? 南にあるアトラクションに集合だ!」
――遅い。
なかなか集まってこない。
葉乃と黒井姫は既にやって来て、列へと並んでしまった。
和気藹々と話している2人。
――俺の予定では、こうだった。
2人が列に並ぶ前に、アトラクションに長蛇の列を作る俺の後輩たち!
諦めて他へと移動した先でも、また長蛇の列を作る後輩!
それを何回か繰り返し、諦めて長い列の後ろへと並ぶ2人!
そして、最初は会話をしているのだが、だんだんと会話が続かなくなり気まずくなる2人……!
――が、既に失敗している。
結局、後輩たちが集まったのは、2人がもうアトラクションの乗ろうとしている時だった。
「おまえら! 遅過ぎるぞ!」
ようやっと姿を見せた後輩たちに向かって怒鳴った。
すると、そのうちの1人――出身中学校のコンピュータ部、現部長である『久留米 基樹(くるめ もとき)』が言った。
「先輩。まだ葉乃先輩追いかけてるんですか? いい加減キモイですよ?」
こいつが、無表情で失礼な発言をするのはいつものことだ。
「キモイとか、そんなことはどーでもいい! もうアトラクションに乗っちまったじゃないか!」
「まぁドンマイですよ、先輩」
全然気にする気配もなく、久留米はそう言った。
そして今度は、コンピュータ部の部員たちに向かってとんでもないことを言い出した。
「そんなことより、みんなー! 大先輩が色々とおごってくれるみたいだぞー! たかれー!」
「はぁ!!??」
「わー!」
「せんぱーい! ありがとーございますー!」
「先輩、久しぶりですー! あ、アイス買ってくださいー♪」
「ちょっと待てちょっと待て!」
無邪気にくっついてくる後輩たちを、俺は慌てて振り払った。
「おまえらなんの役にも立ってないくせに……! 大体、もうチケット代出してやっただろ!? これ以上たかるな! ていうか、もっと敬え!」
「センパーイ」
「せんぱーい、買ってー!」
「おごってー」
そんな風に怒鳴ってみても、それぞれがふざけたことを言いながら俺にまとわりついてくるのだった。
「人の話を聞けええええええええええええええええええええっっ!!!!!!!!!!!!!!!!」
俺、『千羽 緋路』は『神成 躍人』と共に、『川野辺 葉乃』と『黒井 姫』の仲をぶち壊そうと奮闘中。俺は、負けない。今回、『今池 輝也』は無関係です。
なぜだ。なぜこんなに上手くいかない?
その後も色々罠を仕掛けているのだが、一向に成功する気配はない。気付けば、もうお昼も近い。
葉乃と黒井姫の2人もお腹が空き始めたのか、フードコートへと入っていった。
……よし! ここで、先ほどと同じだが、次の作戦だ!
今度は、食事を運んでいる黒井姫の足に再びピアノ線をかけて転ばせる。タイミングが合えば、葉乃にその食事をぶっかけられるはず!
きっと、葉乃のことだから悩んで買った新品の服だろう。それを汚されれば、今度こそ、さすがに怒って嫌いになるだろう……!
まさか、まさかもう、許すなんて、しないよな……?
「キャッ……!?」
再び罠にかかる黒井姫。
しかも、俺の狙い通り。黒井姫の持っていた食事は見事葉乃に命中した。
「だ、大丈夫……?」
それなのに、心配したように食事をぶっかけた張本人に声をかける葉乃。いや、罠を張ったのは俺だけど……。
「ああああああぁぁぁぁ!!!! す、すいません……!! 服が……! ごめんなさいぃ……!!」
平謝りの黒井姫。
そんな黒井姫に、葉乃は驚きの言葉を返した。
「だ、大丈夫だよ。後で代わりのTシャツ買うから……」
「じゃ、じゃあ、後で、あの、Tシャツのお金を……!」
「いやいや、気にしないで。ほ、ほら、それより、もう1度お昼買ってきたら?」
「でも……」
「いいからいいから」
「うぅ……す、すいません……」
――…………。『大丈夫』……?
なんで、なんで怒らないんだよ、葉乃……。
転んでしまったのが、もし、俺だったら――? 葉乃は、怒らないでいてくれただろうか? 嫌いにならないでいてくれるだろうか――?
俺は食欲も失せて、1人フードコートから出た。
「あれ? おーい! ご飯食べないのか? 千羽クーン?」
神成躍人が後ろから呼んでいる声が聞こえたが、そんな気分には到底なれなかった。
――まぁ。諦めるつもりなんてないがな!!!!
気持ちを切り替え。俺が、ドクロを売りつけようとした時に隙を見て、こっそりと葉乃につけた俺作盗聴器で盗聴する。
2人が次に向かおうとしているアトラクションを確認すると、俺は携帯電話をさっと取り出した。
ふふふ……。
必殺! 人海戦術!!
こんな時のために用意した中学校のコンピュータ部、元後輩たち!
ピピピッっとすぐさま連絡を取る!
「おい、おまえたち! ちゃんと遊園地には来てるか!? 南にあるアトラクションに集合だ!」
――遅い。
なかなか集まってこない。
葉乃と黒井姫は既にやって来て、列へと並んでしまった。
和気藹々と話している2人。
――俺の予定では、こうだった。
2人が列に並ぶ前に、アトラクションに長蛇の列を作る俺の後輩たち!
諦めて他へと移動した先でも、また長蛇の列を作る後輩!
それを何回か繰り返し、諦めて長い列の後ろへと並ぶ2人!
そして、最初は会話をしているのだが、だんだんと会話が続かなくなり気まずくなる2人……!
――が、既に失敗している。
結局、後輩たちが集まったのは、2人がもうアトラクションの乗ろうとしている時だった。
「おまえら! 遅過ぎるぞ!」
ようやっと姿を見せた後輩たちに向かって怒鳴った。
すると、そのうちの1人――出身中学校のコンピュータ部、現部長である『久留米 基樹(くるめ もとき)』が言った。
「先輩。まだ葉乃先輩追いかけてるんですか? いい加減キモイですよ?」
こいつが、無表情で失礼な発言をするのはいつものことだ。
「キモイとか、そんなことはどーでもいい! もうアトラクションに乗っちまったじゃないか!」
「まぁドンマイですよ、先輩」
全然気にする気配もなく、久留米はそう言った。
そして今度は、コンピュータ部の部員たちに向かってとんでもないことを言い出した。
「そんなことより、みんなー! 大先輩が色々とおごってくれるみたいだぞー! たかれー!」
「はぁ!!??」
「わー!」
「せんぱーい! ありがとーございますー!」
「先輩、久しぶりですー! あ、アイス買ってくださいー♪」
「ちょっと待てちょっと待て!」
無邪気にくっついてくる後輩たちを、俺は慌てて振り払った。
「おまえらなんの役にも立ってないくせに……! 大体、もうチケット代出してやっただろ!? これ以上たかるな! ていうか、もっと敬え!」
「センパーイ」
「せんぱーい、買ってー!」
「おごってー」
そんな風に怒鳴ってみても、それぞれがふざけたことを言いながら俺にまとわりついてくるのだった。
「人の話を聞けええええええええええええええええええええっっ!!!!!!!!!!!!!!!!」