グローリ・ワーカ   第10章:罠と罪と罰

「…………。どこにいるのぉー!?」
「いや、知らんよ!」
「マニュちゃん、なんか心当たりないの!?」
 わーわー。
 牢を出てすぐ、3人は立ち止まって喚き始める。
「うぅーん。さすがにヒントないのは厳しい……」
 マニュア。そうは言っても、どうしようもないぞ。あ、作者に訊くのもナシな!
「……チッ。先に拒否られた! ――こうなったら仕方ない」
「マニュちゃん、どうする?」
「どっかでヒント出てるかもしれないから、数ページ前に戻ってだな」
 うわー!! ページ戻るとかナシな! そんな卑怯技、有り得ないからな!
「えー」
『えー』じゃねぇよッ!!!! ていうか、おかしいだろー!
「じゃあどうすんだ……」
「うーん。じゃあ――ラウム!」
 ティルがとつぜん言ったかと思うと、素早く魔法陣を描き出し、鳥の形をした魔物をたくさん呼び出した!
 ラウムと呼ばれたその魔物たちに、ティルは一言、
「この人を探して!」
 と命令する。
 ラウムはさっと城内に散らばっていった。
「ふぅー。今、魔物たちに探させてるから大丈夫だよー。少し待ってれば見つかると思う」
 ティルが満足そうに言う。
 2人は、
「すごい!」
「――けど、その――ストームの写真――どうしたの……」
 ティルにツッコむ。
 ティルは、ラウムに命じるときに見せたストームの写真を慌てて隠して、
「え? え? な、なんのことかなぁー……?」
 そう誤魔化した。
「いや、まぁ、いいけどね……」
「あ、あの、ティーちゃん。その写真……」
「ん? アルトちゃん、何?」
「あ……いえ、なんでもないです……」
「?」
 さぁー! 展開が面白くなって参りましたッ!
「うん。面白いけどさ」
「え? な、何がですか!?ι」
「別に面白くないよぉーっ!」
 アルトとティルの反応を見て楽しそうなマニュアだった。
 というか、ラブコメってるどころではないはずなんだが。
 はたして、ストームとヤンはどうなってしまうのか!? そして、アリスとニールの運命やいかに。マニュアたちは間に合うのか――!?