僕の生存日記 第11話:ハート・クリーンロッカー
僕は『川野辺 葉乃』。小竜高校に通う平凡な1年生男子。
それまでは何の面白味もなかったはずの高校生活が、外見ヤクザな『神成 躍人』と出会って一変。
幼馴染(♂)の『千羽 緋路』に告白されるわ、少し気になっていたクラスメートの『黒井 姫』の思いもよらない真実を知るわ、イケメンナルシストの『今池 輝也』に知り合うわ……そして、そんな奴らと一緒に部活動をやることになってしまうとは!
そんなこんなで、いろいろあった1学期も終わり、夏休みが始まった。今日は夏休み中の部活動初日である。
朝9時。夏休みだというのに、僕が在籍している1年1組の教室に部活メンバーは全員集まっていた。
ヤクザ――神成先輩に呼び出されたなら仕方がない。怖いし、部活なんだろうし(心の底から入部したいと思ったことはないが)、きっとこの人が部長なんだろうし、何よりも怖いし(大事なことなので2回)。
――そういえば。
「ところで、うちって何部なんですか?」
1番重要なことを。
前に『日替わり部』とか言って部活動を申請した記憶があるけど、結局却下されたはず……。
「いい質問だな!」
神成先輩が笑顔で答える。
「ボランティア部だ!」
ドヤ顔を浮かべる神成先輩。
というか……予想外にまともな部活だった……。
「正確には、ボランティア同好会だがな。成果を出せば部に昇格してもらえるそうだ」
へー。
しかし、ボランティア、か……。
「はぁ? なんでそんなことを?」
不満そうに声を上げたのは今池君だった。
「ボランティアとか興味ねーよ。相手が女の子だったらいくらでも助けちゃうけど」
「ボランティアと言ってもな、助っ人部といった感じだ。校内で困っている生徒がいたら手助けをする。それがこの部の活動内容だ」
今池君の不満など聞いていないのか、神成先輩が続けた。
「たとえば、サッカー部の助っ人とかな。あと、女子から依頼として『デートしてほしい』なんていうのもあれば、ちゃんと受けるぞ」
「しょーがないな。やってやってもいいかな」
あっさりと認める今池君だった。神成先輩、なんだかんだ言って、結構しっかりというかちゃっかりしているな。
「でも、今そんな部活作ったところで、夏休みなんてやることなくありませんか? できたばっかりの部だし。誰も存在を知らないんじゃ、依頼しようもないでしょう」
今度は千羽が言う。
でもたしかに。夏休みに集まって、何をするというんだ? 新学期に入ったら、宣伝活動とかあるかもしれないけど――。
「合宿の計画だ!」
「「なんの合宿を!!??」」
思わず千羽と一緒にツッコミを入れてしまう。
今! やることないって言ったばかりなのに! 合宿で何をするというのか!!
「まずは部活メンバーの交流を深めていくことが大事だろう。人を助けるには、こちらの連携が上手く取れていなくてはな」
なんか、正しいような、やっぱり正しくないような。
「というわけで、これから合宿の計画を立てる! 今日の星占いの結果、合宿の計画を立てるのが吉とあったしな!」
あぁ、やっぱり、それが主な理由なんだ。うん、なんとなく分かってた。
「ちなみに、ボランティアをやろうと持った理由は?」
これもほぼ分かっているが、あえて訊いてみる。
「部を申請した日の占い結果が、人助けをすると吉だったからだ!」
ですよねー。
僕や千羽、そして今池君が神成先輩と言い合う様子を、黒井さんはただニコニコしながら見ていた。
――あぁ、そうだ。僕、まだあれ以来、2人で上手く喋れてなかったなぁ……。
僕は『川野辺 葉乃』。小竜高校に通う平凡な1年生男子。
それまでは何の面白味もなかったはずの高校生活が、外見ヤクザな『神成 躍人』と出会って一変。
幼馴染(♂)の『千羽 緋路』に告白されるわ、少し気になっていたクラスメートの『黒井 姫』の思いもよらない真実を知るわ、イケメンナルシストの『今池 輝也』に知り合うわ……そして、そんな奴らと一緒に部活動をやることになってしまうとは!
そんなこんなで、いろいろあった1学期も終わり、夏休みが始まった。今日は夏休み中の部活動初日である。
朝9時。夏休みだというのに、僕が在籍している1年1組の教室に部活メンバーは全員集まっていた。
ヤクザ――神成先輩に呼び出されたなら仕方がない。怖いし、部活なんだろうし(心の底から入部したいと思ったことはないが)、きっとこの人が部長なんだろうし、何よりも怖いし(大事なことなので2回)。
――そういえば。
「ところで、うちって何部なんですか?」
1番重要なことを。
前に『日替わり部』とか言って部活動を申請した記憶があるけど、結局却下されたはず……。
「いい質問だな!」
神成先輩が笑顔で答える。
「ボランティア部だ!」
ドヤ顔を浮かべる神成先輩。
というか……予想外にまともな部活だった……。
「正確には、ボランティア同好会だがな。成果を出せば部に昇格してもらえるそうだ」
へー。
しかし、ボランティア、か……。
「はぁ? なんでそんなことを?」
不満そうに声を上げたのは今池君だった。
「ボランティアとか興味ねーよ。相手が女の子だったらいくらでも助けちゃうけど」
「ボランティアと言ってもな、助っ人部といった感じだ。校内で困っている生徒がいたら手助けをする。それがこの部の活動内容だ」
今池君の不満など聞いていないのか、神成先輩が続けた。
「たとえば、サッカー部の助っ人とかな。あと、女子から依頼として『デートしてほしい』なんていうのもあれば、ちゃんと受けるぞ」
「しょーがないな。やってやってもいいかな」
あっさりと認める今池君だった。神成先輩、なんだかんだ言って、結構しっかりというかちゃっかりしているな。
「でも、今そんな部活作ったところで、夏休みなんてやることなくありませんか? できたばっかりの部だし。誰も存在を知らないんじゃ、依頼しようもないでしょう」
今度は千羽が言う。
でもたしかに。夏休みに集まって、何をするというんだ? 新学期に入ったら、宣伝活動とかあるかもしれないけど――。
「合宿の計画だ!」
「「なんの合宿を!!??」」
思わず千羽と一緒にツッコミを入れてしまう。
今! やることないって言ったばかりなのに! 合宿で何をするというのか!!
「まずは部活メンバーの交流を深めていくことが大事だろう。人を助けるには、こちらの連携が上手く取れていなくてはな」
なんか、正しいような、やっぱり正しくないような。
「というわけで、これから合宿の計画を立てる! 今日の星占いの結果、合宿の計画を立てるのが吉とあったしな!」
あぁ、やっぱり、それが主な理由なんだ。うん、なんとなく分かってた。
「ちなみに、ボランティアをやろうと持った理由は?」
これもほぼ分かっているが、あえて訊いてみる。
「部を申請した日の占い結果が、人助けをすると吉だったからだ!」
ですよねー。
僕や千羽、そして今池君が神成先輩と言い合う様子を、黒井さんはただニコニコしながら見ていた。
――あぁ、そうだ。僕、まだあれ以来、2人で上手く喋れてなかったなぁ……。