僕の生存日記 第5話:雨にも負けず電波には負ける
『川野辺 葉乃』は珍しく平和な日々を送っております。
今日は久々に朝から『黒井 姫』さんと話せて幸せかもしれない。
え?『神成 躍人』、『千羽 緋路』、『今池 輝也』?誰?その人達。
まぁ朝はそんな感じでまったりと幸せを感じて。
後はいつも通り過ごして放課後。相変わらずの雨。
僕は1人帰ろうと玄関に立っていた。
え?千羽?あいつはたまに塾で早く帰ることがある。まぁさぼったりもしてるみたいだけどね……今日はちゃんと塾に行ったらしい。
そんなわけで1人で帰ろうと傘を広げた。
ふと顔を上げると、少し離れたところに誰かがいた。玄関から出ようとしないで、空を見上げている。
「黒井さん??」
そう。黒井さんが、カッパも着ずにそこにいた。
何だか、雨宿りをしているようだ。
「あ。川野辺くん」
「どうしたの?」
黒井さんに近寄る。
彼女は苦笑いを浮かべて、
「それが~……カッパが破れちゃったんです~……」
「えぇ!?ι」
彼女の話によると。
それはつい先ほどの話。
今日は1人で帰ろうとしていた黒井さん(早瀬さんは千羽と同じく塾だそーな)
玄関を出ようとカッパを広げる。そして腕を通そうとしたその時!
ビリッ!!
そう嫌な音が響き渡った。
どうやら、横をダッシュで駆け抜けていった男子生徒の持っていた傘の先が引っかかった様子。
その男子生徒は気付かずにそのまま玄関を後にしてしまった。
結構な勢いで破れてしまったカッパを前に、泣き止まない空を見て途方に暮れていたとのこと――……
「で、こんな感じなんです~……」
黒井さんがそのカッパを広げて見せてくれた。
背中の辺りに大きな穴が開いて、そこから斜めにばっさりと切れてしまっていた。
「うわー……結構ひどいね」
つか、その男子生徒もよく気付かなかったよなぁ。いや、気付かないふりをしただけかもしれないけど。
これはひどい……
黒井さんの様子を窺うと、彼女は本当に困った表情。
これすらかわいいと思ってしまった僕はもしかしたら重症なのかもしれない。
こんな時までゴメンナサイ。と、心の中で謝った。
『川野辺 葉乃』は珍しく平和な日々を送っております。
今日は久々に朝から『黒井 姫』さんと話せて幸せかもしれない。
え?『神成 躍人』、『千羽 緋路』、『今池 輝也』?誰?その人達。
まぁ朝はそんな感じでまったりと幸せを感じて。
後はいつも通り過ごして放課後。相変わらずの雨。
僕は1人帰ろうと玄関に立っていた。
え?千羽?あいつはたまに塾で早く帰ることがある。まぁさぼったりもしてるみたいだけどね……今日はちゃんと塾に行ったらしい。
そんなわけで1人で帰ろうと傘を広げた。
ふと顔を上げると、少し離れたところに誰かがいた。玄関から出ようとしないで、空を見上げている。
「黒井さん??」
そう。黒井さんが、カッパも着ずにそこにいた。
何だか、雨宿りをしているようだ。
「あ。川野辺くん」
「どうしたの?」
黒井さんに近寄る。
彼女は苦笑いを浮かべて、
「それが~……カッパが破れちゃったんです~……」
「えぇ!?ι」
彼女の話によると。
それはつい先ほどの話。
今日は1人で帰ろうとしていた黒井さん(早瀬さんは千羽と同じく塾だそーな)
玄関を出ようとカッパを広げる。そして腕を通そうとしたその時!
ビリッ!!
そう嫌な音が響き渡った。
どうやら、横をダッシュで駆け抜けていった男子生徒の持っていた傘の先が引っかかった様子。
その男子生徒は気付かずにそのまま玄関を後にしてしまった。
結構な勢いで破れてしまったカッパを前に、泣き止まない空を見て途方に暮れていたとのこと――……
「で、こんな感じなんです~……」
黒井さんがそのカッパを広げて見せてくれた。
背中の辺りに大きな穴が開いて、そこから斜めにばっさりと切れてしまっていた。
「うわー……結構ひどいね」
つか、その男子生徒もよく気付かなかったよなぁ。いや、気付かないふりをしただけかもしれないけど。
これはひどい……
黒井さんの様子を窺うと、彼女は本当に困った表情。
これすらかわいいと思ってしまった僕はもしかしたら重症なのかもしれない。
こんな時までゴメンナサイ。と、心の中で謝った。