僕の生存日記 番外編3:事件は遊園地裏で起こしてた(第7話裏)
俺、『千羽 緋路』は『神成 躍人』と共に、『川野辺 葉乃』、『黒井 姫』の仲を引き裂くべく奮闘するが、予定外の事態にどれも失敗に終わってしまう。さて、一体どうしたものか――。ところで、『今池 輝也』は本当に影が薄いな。
「はぁ……はぁ……っ!」
鬱陶しい後輩たちからやっと逃げ出し、気付けばすっかり夕刻になってしまっていた。
あぁクソッ……後輩なんて呼ぶんじゃなかった。大失敗だった。
「だ、大丈夫か? 千羽クン」
いつの間にいたのか、神成躍人が俺に心配そうな声をかけてきた。
「……正直、疲れましたよ」
俺は肩で息をしながら答えた。
と、そこへ予想外の声が。
「なにやってるんだ、おまえら?」
この声は――、
「今池輝也!? おまえこそなんでここに――って、なんだよ、その周りの女たち……」
振り返ってヤツの姿を見るなり、何よりも先にその疑問が口をついて出た。
今池輝也は、周りに何人もの女をはべらせていたのだ。
「ふっ。モテる男はつらいものでね。こんな美しい少女たちの中からたった1人なんて選べない……。そんなわけで、みんなと平等にデートしようと思ってね。俺は罪深い男なのさ」
「…………あぁ、そうですか」
アホには付き合っていられない。
「まぁなにやってるか知らないが、おまえも頑張れよ。じゃあな」
そう言いながら手を振って去っていく今池輝也。
くそ……。お、俺だって、葉乃とデートを……!
っつーわけで。
「――もう○ね、黒井姫」
俺はいい笑顔でそう呟いて、マシンガンを装備した。
「銃刀法違反!」
神成躍人がツッコむ。だが、俺はひるまない!
「これは俺が作った発明品です! 銃にカテゴライズされてない!」
「いや、どう見ても銃だろう!?」
「これは銃に見せかけた釣竿です。ほら、銃口から糸と針が」
そう言ってマシンガン(によく似た釣竿)を見せた。
「なぜ銃に見せかける必要が!?」
「ほら、トリガーを引くと糸が飛び出るんですよ。なかなかに面白そうでしょう?」
「まぁ確かにちょっと面白そうではあるが……」
というわけで、最終手段を使うことにしたのだった。
「嫌われるのはさすがに葉乃がかわいそうかと思ってやらなかったが……愛とは時に残酷なものなのだよ……!」
今度は何をしようとしているのかって? ……ふ。それはこの後のお楽しみだ。
ただ、今度は、葉乃が愛想を尽きる作戦ではなく、葉乃が愛想を尽かされる作戦だ、とだけ言っておこう。
俺はまっすぐ葉乃たちのところへと向かった。
その後ろで、神成躍人がなにか言っている。
「あ。今日はまだ星占いを見てなかった! この俺としたことが、なんたることだ!」
また星占いか――。本当に好きだな。まぁどうでもいいことだ。
「なにィッ!? 今日の星占いを見てみれば、他人の恋路の邪魔はよくないと出ているだと!? 急いで帰らなければ!」
なにか声を上げているが、神成躍人のことはもうどうでもよかった(最初からどうでもよかったけど)。
俺は、葉乃と黒井姫、2人の姿を確認すると狙いを定めた。
そして――。
「…………ッッきゃああああああああああああああああああああっ!!!!!!!!????????」
園内に黒井姫の叫び声が響き渡った。
俺が何をしたかって?
――この釣竿で、黒井姫のスカートをめくってやった。ただそれだけだ。
つまり、こういうことだ。
不可抗力とはいえ、黒井姫のスカートの中を見てしまう葉乃。
黒井姫が、ひどい! 葉乃なんて嫌い! ってことになれば、もう問題も障害もないじゃないか。
そこで、俺が葉乃を慰めてやれば完璧だ。
本当は、嫌われるってのは、葉乃にとって辛いかと思ってやらないでいたのだが、俺ももう限界だった。
「さぁ……葉乃。黒井姫に嫌われるんだ……! 大丈夫。俺がしっかりと慰めて――」
少し泣きそうな声で、黒井姫が葉乃に聞いている。
「……み、見ました…………?」
「あ、わ、え……と、み、見てな……」
凄まじく動揺しているようで、葉乃は盛大に後ろへと転んでしまった。
――って、葉乃、大丈夫か!?
思わず俺が出て行こうかとしたその時だった。
「「あ」」
俺と黒井姫の声が重なった。
一体何が起きたのかって? 俺も理解できなかった――わけではないが、したくなかった。
まさか、まさか、こんなことが起きるなんて、俺だって予想だにしなかった。
転んだ葉乃が慌てて起き上がろうとして、そこを帰ろうとしていた神成躍人が通りがかって――一体、どれほどの(悪い意味で)奇跡的な瞬間だったのか。
――まさか、立ち上がった葉乃と通りがかった神成躍人が顔面からぶつかって、キスするはめになるなんて……。
「葉乃おおおおおおおおおおおおおおおおおおッ!!!!!!!!!!!!」
今回のことがバレたらどうしようかとか、もうそんなことは考えてられなかった。
それよりも、葉乃の大事な唇が奪われてしまった事実が、そっちの方が大問題だ!
「えーっと……千羽くん……!? というか、えっと、神成先輩も……えぇ~?」
驚いた様子の黒井姫。
葉乃の方は、まるで燃え尽きた○ョーのように真っ白になって魂が抜けているような、俺がいることも気にならない――いや、できないくらいにショックを受けていた。あ、ついでに、神成躍人も同じく真っ白になっていた。
教訓。他人の恋路は邪魔しちゃいけない(――まぁ、それでも俺は葉乃を手に入れるまで頑張るけれど!)
俺、『千羽 緋路』は『神成 躍人』と共に、『川野辺 葉乃』、『黒井 姫』の仲を引き裂くべく奮闘するが、予定外の事態にどれも失敗に終わってしまう。さて、一体どうしたものか――。ところで、『今池 輝也』は本当に影が薄いな。
「はぁ……はぁ……っ!」
鬱陶しい後輩たちからやっと逃げ出し、気付けばすっかり夕刻になってしまっていた。
あぁクソッ……後輩なんて呼ぶんじゃなかった。大失敗だった。
「だ、大丈夫か? 千羽クン」
いつの間にいたのか、神成躍人が俺に心配そうな声をかけてきた。
「……正直、疲れましたよ」
俺は肩で息をしながら答えた。
と、そこへ予想外の声が。
「なにやってるんだ、おまえら?」
この声は――、
「今池輝也!? おまえこそなんでここに――って、なんだよ、その周りの女たち……」
振り返ってヤツの姿を見るなり、何よりも先にその疑問が口をついて出た。
今池輝也は、周りに何人もの女をはべらせていたのだ。
「ふっ。モテる男はつらいものでね。こんな美しい少女たちの中からたった1人なんて選べない……。そんなわけで、みんなと平等にデートしようと思ってね。俺は罪深い男なのさ」
「…………あぁ、そうですか」
アホには付き合っていられない。
「まぁなにやってるか知らないが、おまえも頑張れよ。じゃあな」
そう言いながら手を振って去っていく今池輝也。
くそ……。お、俺だって、葉乃とデートを……!
っつーわけで。
「――もう○ね、黒井姫」
俺はいい笑顔でそう呟いて、マシンガンを装備した。
「銃刀法違反!」
神成躍人がツッコむ。だが、俺はひるまない!
「これは俺が作った発明品です! 銃にカテゴライズされてない!」
「いや、どう見ても銃だろう!?」
「これは銃に見せかけた釣竿です。ほら、銃口から糸と針が」
そう言ってマシンガン(によく似た釣竿)を見せた。
「なぜ銃に見せかける必要が!?」
「ほら、トリガーを引くと糸が飛び出るんですよ。なかなかに面白そうでしょう?」
「まぁ確かにちょっと面白そうではあるが……」
というわけで、最終手段を使うことにしたのだった。
「嫌われるのはさすがに葉乃がかわいそうかと思ってやらなかったが……愛とは時に残酷なものなのだよ……!」
今度は何をしようとしているのかって? ……ふ。それはこの後のお楽しみだ。
ただ、今度は、葉乃が愛想を尽きる作戦ではなく、葉乃が愛想を尽かされる作戦だ、とだけ言っておこう。
俺はまっすぐ葉乃たちのところへと向かった。
その後ろで、神成躍人がなにか言っている。
「あ。今日はまだ星占いを見てなかった! この俺としたことが、なんたることだ!」
また星占いか――。本当に好きだな。まぁどうでもいいことだ。
「なにィッ!? 今日の星占いを見てみれば、他人の恋路の邪魔はよくないと出ているだと!? 急いで帰らなければ!」
なにか声を上げているが、神成躍人のことはもうどうでもよかった(最初からどうでもよかったけど)。
俺は、葉乃と黒井姫、2人の姿を確認すると狙いを定めた。
そして――。
「…………ッッきゃああああああああああああああああああああっ!!!!!!!!????????」
園内に黒井姫の叫び声が響き渡った。
俺が何をしたかって?
――この釣竿で、黒井姫のスカートをめくってやった。ただそれだけだ。
つまり、こういうことだ。
不可抗力とはいえ、黒井姫のスカートの中を見てしまう葉乃。
黒井姫が、ひどい! 葉乃なんて嫌い! ってことになれば、もう問題も障害もないじゃないか。
そこで、俺が葉乃を慰めてやれば完璧だ。
本当は、嫌われるってのは、葉乃にとって辛いかと思ってやらないでいたのだが、俺ももう限界だった。
「さぁ……葉乃。黒井姫に嫌われるんだ……! 大丈夫。俺がしっかりと慰めて――」
少し泣きそうな声で、黒井姫が葉乃に聞いている。
「……み、見ました…………?」
「あ、わ、え……と、み、見てな……」
凄まじく動揺しているようで、葉乃は盛大に後ろへと転んでしまった。
――って、葉乃、大丈夫か!?
思わず俺が出て行こうかとしたその時だった。
「「あ」」
俺と黒井姫の声が重なった。
一体何が起きたのかって? 俺も理解できなかった――わけではないが、したくなかった。
まさか、まさか、こんなことが起きるなんて、俺だって予想だにしなかった。
転んだ葉乃が慌てて起き上がろうとして、そこを帰ろうとしていた神成躍人が通りがかって――一体、どれほどの(悪い意味で)奇跡的な瞬間だったのか。
――まさか、立ち上がった葉乃と通りがかった神成躍人が顔面からぶつかって、キスするはめになるなんて……。
「葉乃おおおおおおおおおおおおおおおおおおッ!!!!!!!!!!!!」
今回のことがバレたらどうしようかとか、もうそんなことは考えてられなかった。
それよりも、葉乃の大事な唇が奪われてしまった事実が、そっちの方が大問題だ!
「えーっと……千羽くん……!? というか、えっと、神成先輩も……えぇ~?」
驚いた様子の黒井姫。
葉乃の方は、まるで燃え尽きた○ョーのように真っ白になって魂が抜けているような、俺がいることも気にならない――いや、できないくらいにショックを受けていた。あ、ついでに、神成躍人も同じく真っ白になっていた。
教訓。他人の恋路は邪魔しちゃいけない(――まぁ、それでも俺は葉乃を手に入れるまで頑張るけれど!)