グローリ・ワーカ   第23章:全ての祈り

「ぐぅっ……! 魔界の未来のために、私は、負けられんのだ……!」
「うわっ! 蘇った!」
「結局どーすりゃいいんだ!?」
(おまえたちなら、きっと勝つことができる。僕は信じているぞ……)
 ピュウは瞼を閉じて、強く心に描いた。勇者たちの勝利を。
 しかし、肝心の勇者たちはわたわたしている!
「えっと、とにかく、よくわかんないけど、この杖をどうにか……?」
 マニュアが、グローリ・ワーカの杖、ゴッド・ウィッシュを天に掲げた。そして、それを中心にみんなが輪になった。
 ゴッド・ウィッシュの杖の先端にある珠が、月光によって美しく、妖しい輝きを放っている。
 その輝きが一層強くなったと同時に、グローリ・ワーカは自然と言霊を発し始めていた。まるで、それが合図だったかのように――
『なっ……!? これは……!?』
「………………っ!!」
 杖から無限の光が放たれる。みんな、言葉にならない言葉に、たくさんの人たちの思いを乗せて。
 その輝きは、魔界の空を覆っただけでなく、人間界にも届いていた。