グローリ・ワーカ 第24章:そしてこれから
突き抜けた青空に白い雲が気持ち良さそうに漂っている。暖かい風が優しく吹いて、もうすぐ春が来ることを告げている。
あぁ。なんて素敵な、お別れ日和だろうか。
晴天のこの日、グローリ・ワーカはバラバラに旅立っていった。
それぞれが、様々な想いを胸に抱いて――。
(――……みんな……)
マニュアは、最後に使わせてもらった月水晶で、大きな鳥に変身したピュウの背中に乗り、大空を横切りながら考えていた。
(私……やっぱり……さ――)
「…………今……」
「ん? どうしたんだ、ティル」
ストームがぼーっとしていたティルに、声をかけた。
ティルはハッとして、
「あ、ごめん。あのね、今、なんか声が…………」
「声?」
2人は空を見上げた。
「はぅ~~~~……」
「ど、どうしたの、アルト……。妙なため息吐いて……」
「いえ~、別に~~……」
アルトが突然立ち止まって、空を見上げた。つられて、アリスも空を見る。
鳥が、空を飛んでいた。
「鳥か…………」
真っ青な空に、1羽の鳥が飛んでいく。ヤンはそれを見上げていた。
「空……すごく青いな」
「町か」
ニールは町に辿り着いた。そこは、ニールが住んでいたルクスの町ではなく、祭りを行っていた町の隣町――フトゥルムという町だった。
「あー。ここまで結構歩いたな。宿でもとるか」
そう呟いて、ニールは宿へと向かった。
1人分の宿を取ってから、町へと繰り出す。なんとなく、いろいろな店を見て回った。
「……そういや、あん時……」
ニールはおもわず立ち止まった。
そして、ふとマニュアたちと出会った時のことを思い出した。
(……こんな通りだったな)
人通りの少ない通りで、マニュアと盗賊団はおもいっきりぶつかったのだった(実際、ぶつかっていたのはキースだったのだが)。
そして、無理やり旅へと連れ出され、それから――。
いろいろなことがあった。魔物と戦い、仲間が誘拐され、魔界へ向かい、人間界に戻ってきたと思えば、また魔界へ、と。なんだかんだあって……死にそうな目にも遭った(実際に1度死んだ)けれど、こうして世界を平和にして戻ってきて――今、この場所に1人立っている。
追想に耽っていると、昨日まで一緒に旅をしてきた仲間たちの顔が浮かんだ。
――また、出会えるだろうか?
ニールはふっと笑って、再び歩き出した。
突き抜けた青空に白い雲が気持ち良さそうに漂っている。暖かい風が優しく吹いて、もうすぐ春が来ることを告げている。
あぁ。なんて素敵な、お別れ日和だろうか。
晴天のこの日、グローリ・ワーカはバラバラに旅立っていった。
それぞれが、様々な想いを胸に抱いて――。
(――……みんな……)
マニュアは、最後に使わせてもらった月水晶で、大きな鳥に変身したピュウの背中に乗り、大空を横切りながら考えていた。
(私……やっぱり……さ――)
「…………今……」
「ん? どうしたんだ、ティル」
ストームがぼーっとしていたティルに、声をかけた。
ティルはハッとして、
「あ、ごめん。あのね、今、なんか声が…………」
「声?」
2人は空を見上げた。
「はぅ~~~~……」
「ど、どうしたの、アルト……。妙なため息吐いて……」
「いえ~、別に~~……」
アルトが突然立ち止まって、空を見上げた。つられて、アリスも空を見る。
鳥が、空を飛んでいた。
「鳥か…………」
真っ青な空に、1羽の鳥が飛んでいく。ヤンはそれを見上げていた。
「空……すごく青いな」
「町か」
ニールは町に辿り着いた。そこは、ニールが住んでいたルクスの町ではなく、祭りを行っていた町の隣町――フトゥルムという町だった。
「あー。ここまで結構歩いたな。宿でもとるか」
そう呟いて、ニールは宿へと向かった。
1人分の宿を取ってから、町へと繰り出す。なんとなく、いろいろな店を見て回った。
「……そういや、あん時……」
ニールはおもわず立ち止まった。
そして、ふとマニュアたちと出会った時のことを思い出した。
(……こんな通りだったな)
人通りの少ない通りで、マニュアと盗賊団はおもいっきりぶつかったのだった(実際、ぶつかっていたのはキースだったのだが)。
そして、無理やり旅へと連れ出され、それから――。
いろいろなことがあった。魔物と戦い、仲間が誘拐され、魔界へ向かい、人間界に戻ってきたと思えば、また魔界へ、と。なんだかんだあって……死にそうな目にも遭った(実際に1度死んだ)けれど、こうして世界を平和にして戻ってきて――今、この場所に1人立っている。
追想に耽っていると、昨日まで一緒に旅をしてきた仲間たちの顔が浮かんだ。
――また、出会えるだろうか?
ニールはふっと笑って、再び歩き出した。