グローリ・ワーカ   第3章:災難・その後

「んで、こいつらどーする?」
 マニュアに縛りあげられてしまった『こいつら』――
「っていうか、あんたら、なにしてたのさ?」
 マニュアがボスらしき男に尋ねる。
 男は顔を逸らし、
「……ふんっ。言えねーな!」
 その男の態度に、マニュアは笑顔で――
「警察呼んでくるか♪」
「ごめんなさい。お金盗りました。ごめんなさい」
 すぐさまばらしてしまう男だった。
「――って、お金盗ったんだったら、それこそ警察じゃないか」
「それだけは勘弁を〜」
 そんな漫才のようなやり取りをしている横で、ティルはあたりをきょろきょろと見回しながら言った。
「それにしても、この宿の主人、どこに行ったんだろうね?」
 そう。宿の主人の姿はなかった。まったく、危なっかしいことこのうえない。
「だろーが! 盗られても文句は言えねーだろ!」
「盗んだやつが言うことか〜!!」
「ぎゃー! ごめんなさーい!!!!」
 開き直る男をいじめるマニュア。
「いじめてんじゃない。制裁を加えているんだ」
 ……はいはい。
「んで、ほんとうにどーすんだ? こいつら」
 ストームの言葉に、マニュアは少し考えて、
「とりあえず、宿の主人探しに行ってみる? その人に判断してもらうか」