グローリ・ワーカ 第3章:災難・その後
「え、あ、お、う――――!?」
踊り子のおもいがけない言葉に、謎の奇声を上げるマニュア。
(バ、バレテル――!! い、言ったら町から追い出される? ど、で、だ! なんて答えればいいわけ――――ッ!?」
途中から声に出していた。
「あわっ! な、な――冒険者? なにソレ? おいしいの?」
慌ててごまかす。
踊り子は寂しそうに笑って、
「あ、いえ――勘違いならいいんです……。ちょっと、私も冒険者の仲間になってみたいな、なんて。あ、注文でしたね。ただいまお持ちしますね」
「な、仲間ー!?」
仲間が増えるかも! という期待に、マニュアが言――う前に、ストームが言った。
「おぅ! 俺達、冒険者だけど!?」
「ちょっと――ストームぅ!?」
驚くティル。
(ストーム……面食いだな)
マニュアは冷静にそんなことを考えていた。
「え……?」
酒場の時がいっしゅん止まった。
そして――
「わ――――!!」
「冒険者だって!?」
「逃げろ――――――っ!!」
「に、逃げなくてわ……! う、うちの、や、宿に、泊まらないでください!!」
バタンッ!!
酒場の人間を含め、みんな、蜘蛛の子を散らすように出ていってしまった。仲間以外は。
ヒュ~。
「ちょっと! どーすんの!? 泊まる場所もなくなっちゃったし!!」
「あ、わりぃわりぃ」
ティルが怒る。ストームは苦笑いを浮かべている。
その言葉に、踊り子さんが言ってくれた。
「じゃぁ――うちに泊まりますか?」
「え? いいの……?」
「俺もいいのか!?」
「あんたは野宿でもしてれば!?」
ストームの食いつきに、ティルが冷たい言葉を放つ。
「なんだオレンジ。まだ怒ってんのか!?」
「いやー……傍観者としては面白いですな」
マニュアは遠くから見ていた。
「で、どうして仲間になりたいって?」
人のいない店の中。1つのテーブルを囲い、話を始めた。
テーブルの真ん中に置かれたランプが妖しく揺らめく。
踊り子が伏し目がちで、
「あの……この町の住人が、どうして冒険者を嫌うのかは――」
「あ、それはもう知ってる。冒険者が暴れて、魔物を倒すときに洪水を起こしたんでしょ?」
マニュアが言う。
踊り子はそれに頷いた。
「そうなんです……。洪水で大勢の人が流されました……。その中に、私の友達もいたんです」
「え……」
「アルト……生きていれば、私と同じ13歳……」
「え!?」
年齢に異様に反応するマニュア。
「踊り子さん、13歳なの? 私達と同じ!」
「あ、はい……。そういえば、自己紹介してませんでしたね。私の名前は『アリス・ヘイズル』です」
踊り子――アリスが手を差し出した。
それを握り返しながら、
「私は『マニュア・ホワイト』だよ!」
「へぇー。はじめまして。私は『ティル・オレンジ』」
「お、俺は『ストーム・カーキー』!」
「『ピュウ』ピュウ!」
自己紹介をして、アリスは椅子に座り直すと、マニュアの顔をまっすぐに見て言った。
「アルトを――水に流されてしまったあの子を――探しに行きたいんです!」
その真剣な眼差しに、マニュアは――
「私はOKだよーん!!」
なんとも軽い返事をしたのだった。
「俺もー!」
「私も……」
「ピュウゥー!」
特に反対する者もなく、話はまとまった。
「じゃあ、ドリンク飲んだら、うちに案内しますね!」
アリスは立ち上がると、笑顔でカウンターへと向かった。
「いや、その前に宿屋に荷物だけでも取りに行かなきゃな……」
「でもリナちゃんの家にも少し置いてるから、そんなに量はないけどねぇー…」
苦笑いのマニュアとティル。
ストームはぼーっとアリスを見ている。
「また一波乱かなぁ~」
マニュアは頭を抱えた。
「え、あ、お、う――――!?」
踊り子のおもいがけない言葉に、謎の奇声を上げるマニュア。
(バ、バレテル――!! い、言ったら町から追い出される? ど、で、だ! なんて答えればいいわけ――――ッ!?」
途中から声に出していた。
「あわっ! な、な――冒険者? なにソレ? おいしいの?」
慌ててごまかす。
踊り子は寂しそうに笑って、
「あ、いえ――勘違いならいいんです……。ちょっと、私も冒険者の仲間になってみたいな、なんて。あ、注文でしたね。ただいまお持ちしますね」
「な、仲間ー!?」
仲間が増えるかも! という期待に、マニュアが言――う前に、ストームが言った。
「おぅ! 俺達、冒険者だけど!?」
「ちょっと――ストームぅ!?」
驚くティル。
(ストーム……面食いだな)
マニュアは冷静にそんなことを考えていた。
「え……?」
酒場の時がいっしゅん止まった。
そして――
「わ――――!!」
「冒険者だって!?」
「逃げろ――――――っ!!」
「に、逃げなくてわ……! う、うちの、や、宿に、泊まらないでください!!」
バタンッ!!
酒場の人間を含め、みんな、蜘蛛の子を散らすように出ていってしまった。仲間以外は。
ヒュ~。
「ちょっと! どーすんの!? 泊まる場所もなくなっちゃったし!!」
「あ、わりぃわりぃ」
ティルが怒る。ストームは苦笑いを浮かべている。
その言葉に、踊り子さんが言ってくれた。
「じゃぁ――うちに泊まりますか?」
「え? いいの……?」
「俺もいいのか!?」
「あんたは野宿でもしてれば!?」
ストームの食いつきに、ティルが冷たい言葉を放つ。
「なんだオレンジ。まだ怒ってんのか!?」
「いやー……傍観者としては面白いですな」
マニュアは遠くから見ていた。
「で、どうして仲間になりたいって?」
人のいない店の中。1つのテーブルを囲い、話を始めた。
テーブルの真ん中に置かれたランプが妖しく揺らめく。
踊り子が伏し目がちで、
「あの……この町の住人が、どうして冒険者を嫌うのかは――」
「あ、それはもう知ってる。冒険者が暴れて、魔物を倒すときに洪水を起こしたんでしょ?」
マニュアが言う。
踊り子はそれに頷いた。
「そうなんです……。洪水で大勢の人が流されました……。その中に、私の友達もいたんです」
「え……」
「アルト……生きていれば、私と同じ13歳……」
「え!?」
年齢に異様に反応するマニュア。
「踊り子さん、13歳なの? 私達と同じ!」
「あ、はい……。そういえば、自己紹介してませんでしたね。私の名前は『アリス・ヘイズル』です」
踊り子――アリスが手を差し出した。
それを握り返しながら、
「私は『マニュア・ホワイト』だよ!」
「へぇー。はじめまして。私は『ティル・オレンジ』」
「お、俺は『ストーム・カーキー』!」
「『ピュウ』ピュウ!」
自己紹介をして、アリスは椅子に座り直すと、マニュアの顔をまっすぐに見て言った。
「アルトを――水に流されてしまったあの子を――探しに行きたいんです!」
その真剣な眼差しに、マニュアは――
「私はOKだよーん!!」
なんとも軽い返事をしたのだった。
「俺もー!」
「私も……」
「ピュウゥー!」
特に反対する者もなく、話はまとまった。
「じゃあ、ドリンク飲んだら、うちに案内しますね!」
アリスは立ち上がると、笑顔でカウンターへと向かった。
「いや、その前に宿屋に荷物だけでも取りに行かなきゃな……」
「でもリナちゃんの家にも少し置いてるから、そんなに量はないけどねぇー…」
苦笑いのマニュアとティル。
ストームはぼーっとアリスを見ている。
「また一波乱かなぁ~」
マニュアは頭を抱えた。