グローリ・ワーカ   第6章:未来の記憶

「でぇっ!?俺が魔王退治ぃっ!?」
「そうそう」
 マニュアはヤンに向かって説明を終えていた。
 ティルとピュウは2人から一足遅れて宿へと戻ってきた。
 ヤンの驚きようなど相変わらず無視で、マニュアは続けた。
「よし!とにかく、皆、自己紹介!」
 マニュアのテンションに着いて、他のメンバーは自己紹介を始めた。
「俺は『ストーム・カーキー』!13歳の盗賊だぁっ!」
「俺は『ニール・クラベット』。13歳だ。一応、武闘家」
「盗賊団のメンバーだったはずなのにね〜」
「うっせぇ」
「私は『アリス・ヘイズル』。同じく13でーす。踊り子です!」
「踊りは綺麗だよ〜」
「えへへ」
「私は『アルト・クリーム』。こっちも13。狩人だよ」
「そんな職業だったんだ…」
「うん。まぁ、弓矢とか使うのです。ちなみに、矢に魔法を付加することもできるんだよ」
「ほほー」
「あ、ちなみに、私…ティルは13歳の魔物使い!」
「おっと。私、マニュアも13歳で吟遊詩人だよ、一応な!!」
「自分でもおかしいという自覚はあったのか。一応て」
「うわああああん!」
「ピュゥ〜ι」
「……で。俺は『ヤン・サンド』。13…だが、魔法使いだ」
 というわけで、作者だー!ナレーションやってます。
「お前まで自己紹介するんかい!」
「何だー!?この声は!」
 おぉ。珍しく驚いている人がいる。
「……そういえば。新しいメンバーを連れてきたのはいいけど、ホワちゃん、買い物は?」
 話を切り替え、アルトがマニュアに向かって尋ねる。
 一瞬の沈黙。
「…………しまった。忘れてた――――!」
「やっぱりかよ!」
「やっぱりって何だよ、ニールぅ!!」
 思わず文句を言うが、忘れてしまっていた事実に仲間達が責める。
「ホワイト!」
「わ、私だけが悪いわけじゃ……ティルちゃんだって…」
 責任転嫁しようとするが、
「マニュアちゃんがこいつ連れて走ってっちゃったからじゃん!」
「こいつ呼ばわりかよ…ι」
「「「「マニュア!」」」」
 皆に責められたマニュアは、こうなったら平謝りで、
「す、すんませ〜ん!今行きま――す!」
「もうマニュアちゃんはいいよ!もうアテにならないもん!今度は猫でも連れてっちゃいそうだし!」
 ティルが言う。
「すいませーん!許してくださいっ!!」
 マニュアは慌ててそう言うと、さっさと買い物へと言ってしまった。
 …ていうか、最初からちゃんとそうすればいいのにね。