グローリ・ワーカ   第7章:呪法

 やっと目的だった買い物を済ませ、宿へと戻る道を歩く。
 突然。
「あの」
 と声を掛けられた。
 ブカブカのローブに身に包まれたその人は、すっぽりとフードを被り、その上、サングラスをかけてマスクまでしている。当然、表情は窺い取れない。本当に、いかにも怪しい!といった感じである。
 その人は言った。
「そこの女の人……ミリアさんですよね……?」
「えっ!?」
 思わず驚きの声を上げてしまう。
 本名を知っている!?一体誰だ?
 返事はせずとも、マニュアの様子を見て確信したらしいその人は言った。
「良かった。様子を窺ってたけど…やっぱりそうだったんだわ」
 サングラスとマスクを外し、フードを取る。
「…いくらなんでも、怪しすぎ……る!?」
 その姿を見て、思わず動きが止まる。
「おぉっ!かわいいっ!?」
 ストームは喜んでいる。
 深いフードの下から現れたその顔は、肩くらいまで髪を伸ばしたかわいい女の子の顔であった。
「シ、シリアッ!?」
 マニュアはその名を呼ぶ。
「久しぶり、姉さん」
「ねっ、姉さん〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜っっ!?」