グローリ・ワーカ 第8章:攫われた仲間
そのころ、アルトを攫ったキリオミは――。
「ここいらでいいかなっス」
そう独り言を言うと立ち止まった。既にイグニスの町からはずいぶんと離れていた。
「さて、早く魔王様にこの子を差し出すっス! そして、『キリオミ……さすがだ。おまえは四天王で1番優秀だ!』って褒めてもらうっス! このカワイイ娘を差し出して――」
キリオミは笑いながらアルトを見つめ、何かを唱え始めた。
それは、魔界と人間界を繋ぐ道を創る呪法だった。
唱え終わると、キリオミの前にはぽっかりと不思議な空間が現れた。空に穴が開いた、というのが正しい表現だろう。穴の奥は暗い――闇の色をしていた。
その穴の中にキリオミは飛び込んだ。
2人の身体が完全に闇の中に消えると、それはゆっくりと閉じていった。
「さ! 早く! 魔王様のところに向かうっス!」
キリオミの向かう闇の先には、大きな城が厳として聳えていた。
「キリオミ、私を置いていきましたね~~!」
叫んでいるのはトリヤス。
イグニスの町から少し離れたところを、1人歩いていた。
「あやつらが消火に気を取られている隙に逃げ出してきたからいいものの……!」
トリヤスはぶつぶつ1人文句を言っている。
「私のことを、すっかり忘れてますね! 酷い話です!」
うん、ごめん。忘れてた。
「って、あなたが忘れてたのですかぃ!」
うん。少し行が余っちゃったから何を書こうか考えてて、たまたま思い出しただけ。
「ひ、酷い話です――――――!」
泣きながら魔界へ帰っていきましたとさ。
そのころ、アルトを攫ったキリオミは――。
「ここいらでいいかなっス」
そう独り言を言うと立ち止まった。既にイグニスの町からはずいぶんと離れていた。
「さて、早く魔王様にこの子を差し出すっス! そして、『キリオミ……さすがだ。おまえは四天王で1番優秀だ!』って褒めてもらうっス! このカワイイ娘を差し出して――」
キリオミは笑いながらアルトを見つめ、何かを唱え始めた。
それは、魔界と人間界を繋ぐ道を創る呪法だった。
唱え終わると、キリオミの前にはぽっかりと不思議な空間が現れた。空に穴が開いた、というのが正しい表現だろう。穴の奥は暗い――闇の色をしていた。
その穴の中にキリオミは飛び込んだ。
2人の身体が完全に闇の中に消えると、それはゆっくりと閉じていった。
「さ! 早く! 魔王様のところに向かうっス!」
キリオミの向かう闇の先には、大きな城が厳として聳えていた。
「キリオミ、私を置いていきましたね~~!」
叫んでいるのはトリヤス。
イグニスの町から少し離れたところを、1人歩いていた。
「あやつらが消火に気を取られている隙に逃げ出してきたからいいものの……!」
トリヤスはぶつぶつ1人文句を言っている。
「私のことを、すっかり忘れてますね! 酷い話です!」
うん、ごめん。忘れてた。
「って、あなたが忘れてたのですかぃ!」
うん。少し行が余っちゃったから何を書こうか考えてて、たまたま思い出しただけ。
「ひ、酷い話です――――――!」
泣きながら魔界へ帰っていきましたとさ。