たとえば、私の存在は、この世界の片隅に忘れられた端数のようなもので。





  世界の片隅の端数





 私は端数の存在。どこへ行っても余り物。
 ――必要となどされていないのだ。
 小さい頃からそうだった。最後に残されるのは私だ。

 たとえば、仕事でも。いつ切り捨てられてもいいような、いつもそんな位置にいる。
 たとえば、恋愛でも。誰かの隣にいることも叶わない。端数なのだ。
 あなたへ手を伸ばしても届かない……。
 私の大切な人には、必ず、私以外の大切な人――。

 ある日曜の朝。ホームに滑り込んできた電車はけだるそうに。乗り込むと、ゆっくりとまた走り出した。
 透き通るような青空が、窓の外に広がっている。
 どこへ向かおうとしているわけでもなく、ただぼーっと電車に揺られながら、窓の外を眺める。
 このまま消えてしまっても、誰にも気付かれない。誰の記憶の片隅にも残らない。

「死ぬべき、なのに――」
 瞼を伏せ、そう呟く。
 たとえば、私の存在で誰かが傷付くとしたら。同じように私も傷付いていたとしても、端数である私が消えるべきなのだ。

 それでも――。

「愛してる」
 そう言ってくれるあなたの存在があるならば。
 ――たとえ、口先だけでも。それを知っていたとしても――私はまだ、生きていける。

 世界の片隅で。




 日曜の朝に電車に揺られながら考えたものですよ。
 自分も実際、端数な人間だよなーと思うことはあります。――いや、ていうか、むしろそう思うことしかないな!?
 だからといってどうしたって話ですけど。
 んで、内容はフィクションですよ!?「愛してる」とかリア充爆発(ぉぃ
 ――あ。そうだ。明日も多分更新あると思うよ! 短編じゃなくて新作☆ うふふ(・ω・)


――――2011/12/06 川柳えむ