グローリ・ワーカ   WEB拍手用ミニ話15:汝は魔族(あるいは天使)なりや? プロローグ

マニュア「またなにかテーブルゲーム的なもので遊びたいと思ったんだけど……」
ストーム「お? ゲームか? やる! やるぜー!」
マニュア「でもね、TRPGはルールブック買うのに結構お金かかるし……また人狼※1やろうかなって!」
アリス「また人狼?」
マニュア「で、また同じことやってもつまらないと思いまして」
アルト「うん?」
マニュア「魔界からみんな呼んできましたー☆」
ニール「は?」
ミンミン「やっほー♪」
キリオミ「ちわっスー!」
トリヤス「フフフ……。お久しぶりです」
トンヌラ「仕事が忙しいのですけど……?」
「「「なんで四天王呼んでんだ――――!?」」」
マニュア「人数もっと欲しかったから?」
シリア「じゃあ、今回は、前回のメンバー+四天王で人狼やるってことね☆ 16人ね」
アルト「シリちゃんもノリノリですね」
ミンミン「ていうか、普通の人狼なんてつまんなくなーい?」
マニュア「ふへ?」
トンヌラ「そうですね……せっかくこのメンツでやるのなら、なにかオリジナリティが欲しいです」
マニュア「えーと……つまり、グローリで普通の人狼やってもなぁ。なんかちょっと変えたら? たとえば、人狼じゃなくて魔族にするとか? みたいな?」
ミンミン「正解ー☆ 満点!」
ヤン「それなら、いっそのこと、もっとオリジナル要素入れようぜ」
マニュア「それより『魔族に』を変換したら『マゾ国』になってびっくりしたんだけど」
ヤン「心底どうでもいい。俺の話を聞け」
ティル「じゃあさー! なんか新しい役職※2作ろうよぉー!」
ニール「『人狼』は『魔族』で、『村人』が『人間』?『占い師』とかはそのままにするのか?」
マニュア「『人間』か『魔族』が判別できるなら……人間と魔族の『ハーフ』とか……?」
アルト「私っすか?」
シリア「それだと、純粋に人間陣営※3って言っていいのか謎ですが……」
ティル「『ハーフ』だとすると、占いのことはなんて言えばいいんだろ?」
マニュア「――と、透視※4……?」
ヤン「結局、占い師っぽいが」
アリス「『霊能者』は?」
トンヌラ「『検視官』…………?」
マニュア「なんかいきなり現代っぽく!?」
スリム「『狩人』は? そのまま?」
ニール「イメージ的には護衛※5とかするし『兵士』とかじゃないか?」
ヒナ「この人数だと、あれ――『共有者』とかあるんだよね? それはどうするの?」
アルト「『親友』とか『コンビ』とかですか?」
アリス「『狂人』は?『崇拝者』とかどう??」
キリオミ「大人数だと『妖狐』陣営もあるんじゃないんスか?」
トリヤス「『魔族』ときて『人間』とくれば、残りはもちろん『天使』でしょう」
マニュア「名称変えるだけじゃつまんないなぁ」
トンヌラ「もう少しオリジナル要素考えましょう」
ティル「だから、これー!」
ピュウ「ピュウピュウ!」

 わいわいがやがや。

マニュア「――というわけで、オリジナル人狼――『グローリは魔族なりや?(仮)』のルール説明っ!」
ニール「『誰が魔族と天使なりや?』だろ」
マニュア「そうね」
ヤン「ストーリーとルールはほぼ変わらないが、役職がちょっと違うな」
マニュア「というわけで、前回の人狼ルールをコピペしてちょっと直したものを貼っておきます」
スリム「手抜き!」

『汝は魔族(あるいは天使)なりや?』

 人間と魔族の対戦ゲーム。
 毎朝、人間が1人ずつ魔族に殺されている。そこで、昼の間に全員で話し合い、夕方、魔族と思われる人物を1人ずつ投票※6により処刑※7する。それを、魔族か人間、どちらかが勝利するまで続ける。
 人間の中に紛れ込んだ魔族を探し出して全滅させることができれば、人間陣営の勝利となり、人間を魔族と同じ数まで減らすことができれば、魔族陣営の勝利となる。
 自分が生き残るよりも、自分の陣営を勝利に導くことが重要である。
 今回は、天使も紛れ込んでおり、どちらかの陣営が勝利または敗北条件を満たした時点で生き残っていれば、天使陣営の勝利となる。

◆ 1日の流れ ◆
 朝 → 人間が1人襲撃※8される。
 昼 → 話し合いで投票先を決める。
 夕 → 投票を行い誰か1人を処刑する。
 夜 → 魔族、コンビが話し合う。能力者※9(ハーフ、霊能者、兵士)ができることをする。

◆ 役職 ◆
 ◇ 人間陣営 ◇
  人間  : 何も能力※10を持たない。
  ハーフ : 誰か1人を選んで、その人が人間か魔族か天使かを知ることができる。
  霊能者 : 処刑された人が人間か魔族か天使か知ることができる。
  兵士  : 誰か1人を選んで、魔族や天使の襲撃から守ることができる。
  コンビ : お互いを把握※11でき、話し合いができる。他の役職として名乗る※12ことができる。
 ◇ 魔族陣営 ◇
  魔族  : 他の魔族を把握でき、話し合いができる。他の役職として名乗ることができる。
  崇拝者 : 人間だが、魔族陣営。魔族のうち1人だけ把握できる。他の役職として名乗ることができる。
 ◇ 天使陣営 ◇
  天使  : 処刑されると投票した人からランダムで1人道連れ※13にする。襲撃されると襲撃した魔族を道連れにする。道連れは、信仰者がいる場合は10%の確率、信仰者がいない場合は100%の確率で起きる。他の役職として名乗ることができる。
  信仰者 : 人間だが、天使陣営。天使がいなくなった場合、天使になる。
 ◇ ?陣営 ◇
  ギャンブラー : 人間だが、どの陣営に所属するか選ぶことができる。役職を名乗ることができない。

アリス「タイトルまた変わってる!Σ」
アルト「本当のハーフなら、1人に限らずみんな把握できる……」
マニュア「ツッコミ不可! ゲームつまんなくなっちゃうでしょ!」
トンヌラ「一応、オリジナル役職の『天使』について説明します」
キリオミ「説明を見た感じだと『猫又』っぽいっスね!『妖狐』+『猫又』って感じっス」
シリア「本来の『妖狐』と『猫又』の説明はここではしないので、知らない人は調べてみてくださいね」
トンヌラ「『天使』は最後まで生き残ることができれば勝ちです。処刑された場合は、その夜のうちに、天使に投票した人の中からランダムで誰か1人を襲撃――殺します。魔族に襲撃された場合は、襲撃してきた魔族も死にます。道連れにするわけです。もし、天使が処刑された場合に選ばれた人と魔族の襲撃した人が同じ場合、当然1つしか死体※14は出ません。ちなみに、兵士が天使の襲撃先を護衛していた場合、護衛成功でその人は死にません。まぁ、魔族が別の人を襲撃していたら、魔族の襲撃先の死体が1つ出るわけですけど」
ティル「えぇっとー……つまり?」
トンヌラ「天使が死んだ時は、死体が2つ出る場合が多いけど、1つしか出ない場合もあるということです。そして、天使と魔族の襲撃先が同じで、兵士が護衛を成功させた場合は死体は出ません」
ティル「なるほどー……」
トリヤス「猫※15と違う部分は、全員からランダムじゃなくて、天使に投票した人の中からランダムってところですね」
ヤン「そして、狐※16とも違い、占われた――というか、ハーフに視られた※17としても、死なないんだな」
トンヌラ「えぇ。ただし、『人間』でも『魔族』でもなく、はっきり『天使』と出てしまいます。そして、『霊能者』が調べてもちゃんと『天使』になります。ただし、霊能※18結果※19が『人間』になることもあります。ついでに言うと、道連れの確率が10%の時もある」
ティル「なんでぇ!?」
トンヌラ「それは後ほど説明します」
アリス「天使を倒すには、誰か1人が犠牲にならなきゃいけないってことね……難しい……」
トンヌラ「天使が判明したら早く倒さないとキツイと思いますよ」
ヒナ「どうして?」
トンヌラ「たとえば、兵士なしの天使が判明している状態で、残りが『人間』2人、『魔族』1人、『天使』1人だったとしましょう。この時点で、人間の勝利はなくなります」
ストーム「なんでだ!?」
トンヌラ「人間は疑わしい人か天使に入れるでしょう? もし、天使に投票が集まったとしても、魔族は天使に投票しなければ生き残れます。そして、人間が襲撃されて魔族の勝利となります。本物の魔族に投票が集まった場合は、天使が生き残っているので天使の勝利となります。ちなみに、人狼でも村人2人の人外※202人では村人に勝つ手段がありません。これが、いわゆる絶望村※21です」
ストーム「うわーそうか。さっさと天使見つけて倒さないとヤベーな!」
トンヌラ「しかし、天使は処刑された場合、投票した人の中からランダムで襲撃してきます。誰だってなるべく生き残りたいでしょう。天使に投票したくない。そのジレンマがどういう結果を導き出すのか――ということです」
ニール「つまり、別の人が投票するだろうってことで、天使への投票を避けたら、結局天使を処刑できなかったとか、そういう可能性もあるわけだな」
マニュア「ニールが……賢い……!?」
ニール「おいこらどういう意味だ」
アルト「天使怖い」
ストーム「いや、別に本当の天使はそんな怖くねーよ!?」
トンヌラ「更に天使陣営には『信仰者』がいます。『信仰者』は最初は人間となんら変わりません。人間のカウント※22に入りますし、騙り※23もNGにします。が、天使陣営です。そして、『天使』が処刑または襲撃された時点で『信仰者』が生きていれば、『天使』は『信仰者』に、『信仰者』は『天使』に変わります」
スリム「えぇ!?」
トンヌラ「イメージ的には天使が信仰者を身代わりにした感じです。なので先ほど言ったとおり、『天使』から『信仰者』になった者の霊能者から視た結果は『人間』です。逆に、『信仰者』から『天使』になった者は、ハーフから視た結果も、霊能者から視た結果も『天使』になります。そして、『信仰者』が生きている時に『天使』が処刑や襲撃をされた場合の道連れは10%です。『信仰者』が既に死んでいたり、『信仰者』から『天使』になった場合の道連れは100%。護衛で防がない限り、必ず起きます。『信仰者』の恐ろしいところは、『天使』が死ぬまで生存していられれば2回も道連れが起きる可能性がある、ということです」
アルト「うわぁ……天使エグイ」
ストーム「エグくねーよ!?」
アリス「もし、10%の確率で起きた道連れ相手が『信仰者』になったらどうなるの? 死体3つとかになるの?」
トンヌラ「いえ、その時も魔族に襲撃された者とあわせて死体は2つです。その『信仰者』――というか、『信仰者』から『天使』になった者は、投票で処刑されたわけでも、魔族に襲撃されたわけでもありませんので。道連れはありません」
ヒナ「ということは、天使陣営がまとめていなくなってくれるわけだね! そうなったらラッキーだね。『天使』的には最悪だけど」
シリア「『天使』の行動は、本物のハーフに視られないようにハーフを騙ったり、しかしそれだと最終的にローラー※24させられるかもしれないから、なるべく本物に見せたり。しかし、本物に見せたら魔族に襲撃される可能性もありますね。あとは、偽物のハーフに人間判定※25を出して※26もらえるように祈ること……?」
ヤン「潜伏※27してもいいけど、グレー※28だとそのうち占われそうだよなぁ」
アリス「難しいね……」
ニール「たしか人狼の狐だったら人狼に襲撃されて死なねーけど、人狼に襲撃されても死亡だしな……」
トンヌラ「しかし、先ほども言ったように『信仰者』がいますからね。かなり有利ですよ」
マニュア「逆に『天使』はさっさと死んで、後を『信仰者』に任せるのもあり!?『信仰者』がいても、道連れは10%の確率で起こせるし、生き延びなきゃいけないから、天使としては短期で決着を着けたいしね」
ミンミン「そうなると、人間や魔族側はできれば先に『信仰者』を倒したいとこね」
マニュア「そしてもう1つ新しいオリジナル役職作ったよ! その名も『ギャンブラー』!」
トンヌラ「『ギャンブラー』は特殊で、どの陣営でもありません。初日犠牲者※29がいなくなった夜――1日目の夜に、どの陣営に所属するか選ぶことができます。周りの様子を見て陣営を選べるので、結構勝てる役職かもしれませんね。しかし、能力はそれだけで、他の役職を騙るだけでなく、『ギャンブラー』であるということもCO※30できません。つまり、『ギャンブラー』COというものは絶対ありません。『ギャンブラー』になった人は、人間陣営につくのであれば人間と同様に、魔族陣営につくのであれば潜伏狂人――崇拝者のように、天使陣営につくのであれば天使を探りつつ天使が処刑されないよう上手く行動することが求められます」
ストーム「『ギャンブラー』! やってみてぇ!」
トンヌラ「もし、勝利陣営に1ポイント! みたいなポイント制で勝負するなら、『ギャンブラー』という役職なんですし、勝った場合は2ポイント、負けた場合は−1ポイント。みたいにしても面白そうですね」
ヤン「で、他の役職は大体説明見れば分かると思うが――ほとんど前回と一緒で、名前だけが違ってる感じだな」
アリス「でも、新しいのもあるよね」
ヤン「『コンビ』は人狼でいう『共有者』。お互いが人間陣営の『コンビ』だって把握することができる上に、夜に話し合いをすることができる。『コンビ』は2人いるから、人間陣営だってみんなに分からせることもできる」
スリム「なんで?」
ヤン「魔族が『コンビ』を騙るような真似はしないだろう。2人1組の役職だから、2人も出なきゃ※31いけなくなる。『コンビ』だって証明できる相手がいないといけないからな。基本、『コンビ』は片方が名乗り出て、片方は潜伏が多い。もし『コンビ』なんて騙ってきたやつがいたとして、本物ならもう1人も名乗り出ればいいが、騙った奴はそうはいかない。もし仮に2人で『コンビ』を騙ったとしたら、ローラーしてしまえば2人も魔族を倒すことができる」
トンヌラ「ですが、今回は『崇拝者』がいますよ。これが曲者なんです」
ヒナ「狂人だと誰が人狼かは分からなかったよね」
トンヌラ「人狼でいう『狂人』と『狂信者』の間でしょうか。『崇拝者』はたった1人だけ、誰が魔族なのかを知ることができる。なので、万が一ですが、その魔族が『コンビ』を騙った場合、『崇拝者』はそれに合わせることができる。ローラーして2人魔族を倒したと思ったら、まだ実は1人しか魔族を倒していなかった。なんてこともあるかもしれません」
ヤン「だけど、『崇拝者』は魔族をたったの1人しか把握できない。魔族側は『崇拝者』を把握できないし、その魔族が『コンビ』を騙る可能性なんて皆無に等しいだろ」
トンヌラ「ですよね」
ヤン「つーわけで、『コンビ』は人間陣営――いわゆる白※32確定※33なんだ」
シリア「『崇拝者』と『信仰者』が、なんかごっちゃになりそうです……」
マニュア「そこは頑張れ! とりあえず、どっちも判定やカウント的には人間だ」
ミンミン「『崇拝者』が1人魔族を知れる意味ってあるのかしら……?」
マニュア「それ言っちゃダメだ、ミンミン。試しにそうやってみようと思ってみただけだから」
トリヤス「でも、ホラ、その魔族の行動を見て、じゃあ自分はこうしよう! とか上手く庇うことができるかもしれませんし!」
ミンミン「逆に魔族たちの意図してなかった変な行動しちゃうかもしれないけどね」
トリヤス「そ、そうですね……」
マニュア「ま、それも含めてゲームってことで!」
アルト「そして、結局『霊能者』は『霊能者』のままなんですね……」
マニュア「『検視官』はさすがにちょっと、違和感が……」
ヤン「んなこと言ったら『コンビ』の違和感ェ……」
マニュア「『芸人』にしなかっただけマシだと思ってもらいたい!」
ミンミン「なんで『芸人』よ!?」
マニュア「『コンビ』とくれば? 相方※34的な……」
ティル「『人間』になったらとにかく推理。『ハーフ』になったら頑張って魔族や天使を見つけ出す。『霊能者』になったら霊能で調べる。『兵士』になったら護衛頑張る。『コンビ』になったら人間って証明できるから他の人を導ける」
マニュア「そうそう」
ヒナ「『魔族』になったら勝利できるように頑張る。『崇拝者』になったら魔族フォローしつつなるべく場を掻き乱す」
トリヤス「そうですね。『崇拝者』は人間判定である自分を処刑させて吊り縄※35消費させるのも重要な役目です」
シリア「『天使』になったらなるべく死なないように行動する。『信仰者』になったらこっちもなるべく死なないように行動する」
ヤン「そうだな。『信仰者』こそ先に死んだら意味がない。『天使』は死んでも『信仰者』がいればなんとかなる。だから、『信仰者』は特に生き残ることを目標にすべきだ」
マニュア「『崇拝者』は最後まで生き残ってても自分の陣営の勝利にはならないけど、『信仰者』は生き残ってれば『天使』になれるからなぁ」
トンヌラ「なので、『崇拝者』は自分がなるべく先に死ぬように、『信仰者』は『天使』が、そして自分が死なないように上手く行動してください」
ヤン「そうそう。最後に残ってたのが、人間、魔族、崇拝者とかだったら、PP※36可能だから気をつけろよ」
ティル「PP?」
ヤン「パワープレイだ。残ったのが人間、魔族、崇拝者の場合、魔族が崇拝者に気付けてたら、魔族がCOすれば、魔族と崇拝者で人間を処刑することができる。逆に、崇拝者が魔族を知っていた場合、崇拝者側がCOすれば、これも人間を処刑できるな。力技で勝利へ導く、これがPPだ」
ティル「えっ!? 怖い!」
シリア「で、役職の内訳※37はどうなるの?」
マニュア「全部で初日犠牲者含め全部で16人だから――人間4人、魔族3人、ハーフ1人、霊能者1人、崇拝者1人、兵士1人、コンビ2人、天使1人、信仰者1人、ギャンブラー1人……? いや、人間少なすぎだろう。だったら、人間5人の魔族2人か……? 調子に乗って役職増やしすぎた……」
アリス「え? でも、人間陣営多くない?」
マニュア「いや、結構少ないのよ、これ。普通の人間なんかは特殊能力もないし、騙れないしね」
ヤン「騙る必要はないと思うが」
ニール「陣営で言ったら、人間9人、魔族4人、天使2人、で、どっかの陣営に+1人か」
アルト「やっぱり多くないですか?」
シリア「でも、人間は推理しながら処刑していかなきゃいけないのに対して、魔族はほぼ必ず自分たち以外を襲撃できますからね」
ティル「あぁ、そっか……」
ヤン「それにちょっと考えてみろよ。処刑回数」
アルト「え?」
ヤン「1日目が始まった時点で生存が15人だろ? 処刑回数が何回あるか分かるか?」
アルト「え? え?」
アリス「護衛を考えないとして。15人で、1人処刑して14人……。翌日の朝には襲撃されて、生存は13人になるから……」
ヤン「15>13>11>9>7>5>3だから6回だ」
ティル「残り人数3人だったら、もう1回あるんじゃないの?」
トンヌラ「天使のことを忘れてませんか? これは1度も道連れがなかった場合――すなわち、天使が生きている場合です。天使が生きていて残り人数3人ということは、内訳は基本、天使+人間+魔族です。こうなると、天使の勝利です。ちなみに、天使+人間2人という内訳はありえません。前日から2人減っているということは襲撃があったということなので」
ティル「あ、そっか!」
スリム「じゃあ、天使が途中で死んだ場合は?」
マニュア「道連れが1回として、どこかで3人減るわけになるから……」
ヤン「そうなると、最後の人数が2人になるだけだから。これも順当にいけば処刑回数は6回だ」
トンヌラ「もちろん、護衛や道連れなんかで回数が変わる可能性もありますがね」
ミンミン「魔族が3人で天使が1人。しかも信仰者もどうにかしないといけないから、もし全部処刑で倒すとしたら、5回は確実に吊り※38上げないといけないわけ?」
アルト「ローラーとかはする余裕なさそうですね……」
ニール「結構、人間が不利だな」
ヤン「結構どころじゃねーぞ、これ。吊り回数的に厳しすぎワロタ」
アリス「信仰者か天使は魔族が倒してくれるとありがたいけど、そうとも限らないし。6回中5回間違えずに処刑は確かに厳しいよね」
ティル「難しいよー!」
アルト「せめて…………! あと1人……できれば2人――いや、3人は人間がほしいですね……」
マニュア「――というわけで、4人ほど呼んできましたーっ!!」
ニール「早っ!?」
アルト「しかも結構多い!」
マニュア「誰にしようか迷ったけど、リナちゃんとマリアちゃんです。あぁ、あとついでにキースとユー辺りを」
リナ「お久しぶりでーす! リナです!」
マリア「こんにちは。はじめましての方ははじめまして。マリアです。よろしくお願いします」
キース「なんで俺たちの扱い雑なんだよ!? キースだ。ニール、久しぶりだなっ!」
ユー「ユーだ。知ってるヤツもいるし、見れば分かると思うが、ヤンとは双子だ。よろしく」
ティル「わー! 4人とも、お久しぶりー!」
ヤン「ユー!」
ニール「おぉ、キース! で、ユルとシェドは?」
アリス「ノアくんたちは? メテオさんとか!」
トンヌラ「魔王様たち――はさすがにありませんか」
ストーム「じーちゃんは!?」
アルト「お義母さん――冗談ですけど」
ティル「私のモンスターたちはー? ウィシュプーシュとかー」
シリア「ほとんど出演してない、名前のないキャラも出さないわよね、さすがに……」
マニュア「えぇい! 文句を言うな! さて、さすがに人数増やし過ぎた感があるから、魔族は4人だね」
アルト「処刑回数が少ないから増やしたのに、魔族増やすんですか……!?」
マニュア「8回中6回成功でしょー? イケルイケル」
ニール「いける……か……!?」
ヤン「あと1人は人間陣営に欲しいけどな」
マニュア「では、全部で20人! 最終的に役職の内訳はこちら!」
ヤン「無視かよ」
 ドン!

 人間7人、魔族4人、ハーフ1人、霊能者1人、崇拝者1人、兵士1人、コンビ2人、天使1人、信仰者1人、ギャンブラー1人

ニール「やっぱり人間少なくねーか!?」
マニュア「どうにかなるでしょー。さて、まずは役職決めますかー! くじ引きするよー!」
トンヌラ「魔族をあてたいですね」
ミンミン「たまには、人間も面白いかもね?」
ストーム「せっかくだから役職就いてみてーな!」
ヤン「今度は人間陣営になってみたいかもな」
アリス「ドキドキする!」
リナ「なにが出るかな♪」
マリア「初めてだけど、大丈夫かしら?」
アルト「まぁ、なんとかなりますって!」
キリオミ「ゲーム楽しむっスー!」

 そんなこんなで、再び人狼ゲーム――のオリジナル版『汝は魔族(あるいは天使)なりや?』を始めることになってしまったみんな。
 はたして、誰が人間で誰が魔族、そして誰が天使なのか? どの陣営が勝利を得るのか――?
 これから、長い戦いが始まろうとしていた。

ニール「ところで、前回の予告とはなんだったのか」
マニュア「あ。あれはただの悪ふざけですてへぺろ☆」

◆ 参加者 ◆ ※()内はニックネーム等
 マニュア・ホワイト(ミリア、マー、マニュ、ホワ、リーダー)
 ティル・オレンジ(ティー)
 ストーム・カーキー
 アリス・ヘイズル(アリ)
 ニール・クラベット(ニー)
 アルト・クリーム
 ヤン・サンド
 ピュウ
 シリア・ブラック(シリ)
 スリム・カント(スー)
 ヒナ・マゼンタ(ヒー)
 トンヌラ
 ミンミン
 トリヤス
 キリオミ
 リナ・フレッシュ
 キース・ヘリオトロープ
 ユー・サンド(サンド弟)
 マリア・クノッソス
 ナレーション(GM、初日犠牲者)

(汝は魔族(あるいは天使)なりや? の中での細かい用語説明)
※1.人狼 = 『汝は人狼なりや?』のこと。前回みんながやったゲーム。
※2.役職 = 人間、魔族、ハーフ……などの配役のこと。
※3.陣営 = チームのこと。今回は、人間、魔族、天使の3つの陣営に分かれて勝敗を争う。
※4.透視 = ハーフの能力。指定した人物が人間か魔族か天使なのかを視ることができる。(人狼の『占い』の能力)
※5.護衛 = 兵士の能力。指定した人物を魔族や天使の襲撃から守ることができる。
※6.投票 = 昼の最後、投票を行う。投票で1番票が集まった人が処刑される。
※7.処刑 = 投票によって誰かを処刑すること。『吊り』とも言う。
※8.襲撃 = 魔族や天使によって殺されること。(人狼では『噛み』、『噛む』とも言う)
※9.能力者 = ハーフ、霊能者、兵士などの特殊能力を持つ人物のこと。
※10.能力 = 透視、霊能、護衛などの特殊能力のこと。
※11.把握 = 役職などを了解、理解すること。
※12.名乗る = 自分の役職を周囲に言うこと。
※13.道連れ = 自分が死ぬ時に、ほかの誰かを巻き添えに殺すこと。
※14.死体 = 襲撃などで殺された人の体のこと。基本的に朝に1つ死体が出るが、2つだったり、死体がないこともある。
※15.猫 = 人狼の役職『猫又』のこと。
※16.狐 = 人狼の役職『妖狐』のこと。
※17.視る = ハーフや霊能が能力を使って判定すること。(人狼の『占う』、『霊能』のこと)
※18.霊能 = 霊能者の能力。処刑された人が人間か魔族か天使なのかを視ることができる。
※19.結果 = 透視や霊能などで出た結果のこと。
※20.人外 = 人間以外のこと。
※21.絶望村 = 人狼で、村人陣営に勝つ手段が存在しない状況のこと。
※22.カウント = その数に数えられること。
※23.騙り・騙る = 自分の役職を偽って他の役職を名乗ること。
※24.ローラー・ロラ = 特定の範囲を、数日かけて全て処刑すること。
※25.判定 = ハーフや霊能者に人間、魔族、天使であると診断されること。
※26.出し・出す = 判定の結果を出すこと。
※27.潜伏 = 魔族や天使、能力者がCOせずに人間のフリをすること。
※28.グレー = 人間とも魔族とも天使とも判断がつかない状態のこと。
※29.初日犠牲者 = ゲーム開始時に、魔族に襲撃されて殺される人。
※30.CO = カミングアウト。自分の役職を公表すること。『出る』とも言う。または、結果を公表すること。
※31.出る = なんらかの役職として表に出ること。
※32.白 = 人間のこと。
※33.確定 = 現状から確実にそうであると判断できること。
※34.相方 = コンビの相手、パートナーのこと。
※35.吊り縄 = 処刑を行う回数のこと。
※36.PP = パワープレイ。魔族陣営が票を合わせて無理やり処刑すること。
※37.内訳 = 役職がどう分かれているかの内訳のこと。
※38.吊り・吊る = 処刑、処刑をすること。