僕の生存日記   第5話:雨にも負けず電波には負ける

 僕、『川野辺 葉乃』。
 『黒井 姫』さんとラブコメできるかと思いきや、そうでもなかった件について。
 『神成 躍人』と『千羽 緋路』、『今池 輝也』は(以下略

「アハハハハッ!!おいこら下僕!!この私と一緒に帰れるからって、イヤラシイ目で見てねーだろうな!?」
 黒姫さんが、僕に向けて傘を突きつけてとんでもないことを言い出す。
「み、見てませんよ!!」
 慌てて答える僕に、黒姫さんは軽蔑の眼差しを向けてくる(涙)
「怪しーなぁ……まぁ水も滴るイイ女ってな!!」
 自分で言う!?この人!
 確かに黒姫さんの場合、確かに雨に濡れた姿は……その、艶っぽいっていうか……だけどさ!!
「つか、おめぇ!車に泥跳ねさせるとはどーゆーことだよ!!!!」
 突然怒り出す。
「い、いや、それは確かに……車道側に注意してなかった僕が悪いけど……!」
「だろーが!ったく……役に立たねーな!!!!」
 ぶんぶんと傘を振り回す彼女。危ないし(汗)

 ――と、突然!
「キャ……!!」
 黒姫さんが小さな悲鳴を上げた。
 暴れていたせいで、水に足を滑らせたのだ。


「危ない!!!!」


 思わず駆け出し、転びそうになった彼女の腰に手を回して、支える。
「――……!!」
 彼女が何か言葉を飲み込んだかと思った、次の瞬間!
「こ、この、セクハラぁ――――!!」
 …………黒姫さんの拳が飛んできたのだった……

「あ、あ、あんたねぇ!!この変態!」
「ご、誤解だしΣ」
 腰に手を回したことを怒っているいる様子の黒姫さん。往来でそんなこと叫ばないでくれ(涙)
「もう……!信じられない!!」
 顔を真っ赤にして言う。
 こりゃ、相当怒ってるか――……助けたはずなんだけどな……
「……でも、その……」
 ――ん?
 彼女がそっぽを向いて、何か言おうとしていた。
「あ……あの、ありが――…………」





 「ちょっと待て」





「どわああああああああああああああああああああ!!!!!!!!????????」
「キャァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ!!!!!!!!????????」

 思わず、僕と黒姫さんは同時に驚きの声を上げた。
 だ、だ、だって、何で……!?
「千羽っ!!??何でここに…………!!!!????」
 そう。いるはずのない千羽がいたのだ。
「お前、塾じゃないのか!!??」
「それどころじゃない。愛しの葉乃が大ピンチなのを感じ取って救いに来たんだ!!」
「お前はエスパーか!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
 電波が悪化している千羽が言う。
 そして、黒姫さんをぎろっと睨んだ。
「お前……女だからって、許さないぞ。葉乃をs――」
「ば、バッカじゃないの!!!!!!!!!!!!」
 黒姫さんは大きな声を上げると、傘を持ったまま走り去ってしまった。
 な、何だったんだ……??
 っていうか、傘――――――――――――――――!!!!


「っていうわけで、葉乃〜♪俺と相合傘して帰ろうぜ〜♪」



「絶対却下ァ!!!!!!!!」