僕の生存日記 第6話:事件は遊園地で起きてんだ(前編)
どうも! 『川野辺 葉乃』です! なんだか久しぶりだって!?
『神成 躍人』先輩ことヤクザに、『千羽 緋路』って変態(ひでーよ! By.千羽)、二重人格の『黒井 姫』さんに――転校生の『今池 輝也』君。
相変わらずの濃いメンバー――とは、中間テスト中も、さらには終わってからもあまり会ってなかった。
なんだかんだで部活もまだできてないし……。いったいどうなることやら。
「葉乃~♪」
「……なに? 千羽……」
この日のすべての授業が終わり、帰ろうとした僕の前に、満面の笑みを浮かべた千羽が現れた。
┏どうする━┓
┃ たたかう┃
┃ じゅもん┃
┃[>にげる ┃
┃ どうぐ ┃
┗━━━━━┛
「じゃぁ、そーゆーことで」
「ちょっと待ったァァァァ!!!! 葉乃、冷たいゾ!」
しかし、まわりこまれてしまった!
「いや、プレイヤーの選択肢が『にげる』だったんだよ」
「え? 何の話……?」
千羽が心底、分からないといった表情をした。うん。僕も分からない。
「で、なんだよ……?」
諦めて、僕は千羽に尋ねた。
千羽はまた笑顔に戻り、
「おぉ! そう素直に聞いたほうがいいぞ! ほら、これ!」
千羽が僕の顔の前に、2枚の紙を突きつけた。
「……これは――チケット?」
「おぅ」
それは、遊園地の無料チケットだった。
――まさか、デートしようって言うんじゃ……。
「すまん。僕にはそんな趣味ないんだ」
そう返した瞬間。
「ちっげええええぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇよ!! 俺とじゃなくて、黒井さんと!」
「…………は?」
予想だにしない答えに、僕は思わず間抜けな声を出した。
「……おまえ、いつの間にノーマルになったんだ……? 黒井さんを好きとか……」
少し考えて、やっと出た言葉がこれだった。
あの黒井さんを好き――ノーマルと言えるのか分からないが……。ていうか、それよりも、ライバルってことになるんだから、もっと焦れよ、僕。
「そーじゃなくて!」
千羽は言った。
「葉乃、黒井さんと行ってこいよ!」
「…………は??」
再度間抜けな声が出た……。
「え……? え、えぇ!!?? ちょ、どうした!? 千羽、おまえ、熱でもあるのか!?」
思わず声が大きくなる。
だ、だって、いつもの千羽のセリフじゃない!!!!
「シツレーな。俺は、愛しの葉乃のためを思って……」
「え、えぇっと……本当に、いいの?」
もう1度確認する。千羽はしっかりと頷いた。
「わ、分かった。行ってくる! ありがとう!」
「おう。そうこなくちゃな」
千羽からチケットを受け取り、思わず笑顔になる僕。
「チケットの有効期限が近いから、すぐ使えよー」
「うん!」
千羽の言葉にそう答え、僕は手を振りながら駆け足で教室を出た。
どうも! 『川野辺 葉乃』です! なんだか久しぶりだって!?
『神成 躍人』先輩ことヤクザに、『千羽 緋路』って変態(ひでーよ! By.千羽)、二重人格の『黒井 姫』さんに――転校生の『今池 輝也』君。
相変わらずの濃いメンバー――とは、中間テスト中も、さらには終わってからもあまり会ってなかった。
なんだかんだで部活もまだできてないし……。いったいどうなることやら。
「葉乃~♪」
「……なに? 千羽……」
この日のすべての授業が終わり、帰ろうとした僕の前に、満面の笑みを浮かべた千羽が現れた。
┏どうする━┓
┃ たたかう┃
┃ じゅもん┃
┃[>にげる ┃
┃ どうぐ ┃
┗━━━━━┛
「じゃぁ、そーゆーことで」
「ちょっと待ったァァァァ!!!! 葉乃、冷たいゾ!」
しかし、まわりこまれてしまった!
「いや、プレイヤーの選択肢が『にげる』だったんだよ」
「え? 何の話……?」
千羽が心底、分からないといった表情をした。うん。僕も分からない。
「で、なんだよ……?」
諦めて、僕は千羽に尋ねた。
千羽はまた笑顔に戻り、
「おぉ! そう素直に聞いたほうがいいぞ! ほら、これ!」
千羽が僕の顔の前に、2枚の紙を突きつけた。
「……これは――チケット?」
「おぅ」
それは、遊園地の無料チケットだった。
――まさか、デートしようって言うんじゃ……。
「すまん。僕にはそんな趣味ないんだ」
そう返した瞬間。
「ちっげええええぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇよ!! 俺とじゃなくて、黒井さんと!」
「…………は?」
予想だにしない答えに、僕は思わず間抜けな声を出した。
「……おまえ、いつの間にノーマルになったんだ……? 黒井さんを好きとか……」
少し考えて、やっと出た言葉がこれだった。
あの黒井さんを好き――ノーマルと言えるのか分からないが……。ていうか、それよりも、ライバルってことになるんだから、もっと焦れよ、僕。
「そーじゃなくて!」
千羽は言った。
「葉乃、黒井さんと行ってこいよ!」
「…………は??」
再度間抜けな声が出た……。
「え……? え、えぇ!!?? ちょ、どうした!? 千羽、おまえ、熱でもあるのか!?」
思わず声が大きくなる。
だ、だって、いつもの千羽のセリフじゃない!!!!
「シツレーな。俺は、愛しの葉乃のためを思って……」
「え、えぇっと……本当に、いいの?」
もう1度確認する。千羽はしっかりと頷いた。
「わ、分かった。行ってくる! ありがとう!」
「おう。そうこなくちゃな」
千羽からチケットを受け取り、思わず笑顔になる僕。
「チケットの有効期限が近いから、すぐ使えよー」
「うん!」
千羽の言葉にそう答え、僕は手を振りながら駆け足で教室を出た。