僕の生存日記 第7話:事件は遊園地で起きてんだ(後編)
僕、『川野辺 葉乃』は『黒井 姫』さんとデート中だけど、色々事件も起きてたり。それでも、なんだかんだでいい感じ!?
『神成 躍人』と『千羽 緋路』、『今池 輝也』は出てこないので、あしからず。
それからグラスを買い直して、少し遊んだ。
気付けば、なんだかんだでもうお昼近くになっていた。
僕らはフードコートへと入り、それぞれに食べたいものを買うことにした。
――本当は、お昼もおごってあげたいところだったけれど、その申し出はしっかりと断られてしまった。
そうだよね。まだ付き合っているわけでもないしね! いや、そもそも男がなんでもかんでもおごってあげるとかいう考え自体が間違いなのかもしれない。それに、正直なところ、僕もそんなにお金を持っているわけでもないし(グラスも買い直して予想外の出費が……)、実は、断ってくれたのはありがたかったりして。
まぁそんなわけで、お互いに食べたいものを買い、席へと移動した――その最中の出来事だった。
「キャッ……!?」
本日2度目だ、黒井さんが派手に転ぶのは。
「だ、大丈夫……?」
そう彼女に声をかける僕。
今度は、荷物を入れていた斜め掛けバッグは無事だったみたいだが……ぶっちゃけ、無事じゃないのは僕の方だった。
当然、彼女が手に持っていた食事は盛大にぶちまけられたわけで。それが僕の服に見事ヒットしたわけで――……。
「ああああああぁぁぁぁ!!!! す、すいません……!! 服が……! ごめんなさいぃ……!!」
涙目で、見てるこっちが恐縮するくらいに恐縮して謝る黒井さん。
し、しかし、悩んで買ったばかりの新品の服が……! でも涙目の黒井さんかわいいな、うん。
「だ、大丈夫だよ。後で代わりのTシャツ買うから……」
「じゃ、じゃあ、後で、あの、Tシャツのお金を……!」
困ったように言う黒井さん。しかし、いくら黒井さんのせいとは言えわざとやったわけでないのはわかっているし、そんなもの受け取る気にはなれなかった。
「いやいや、気にしないで。ほ、ほら、それより、もう1度お昼買ってきたら?」
「でも……」
「いいからいいから」
「うぅ……す、すいません……」
そうやって頭を下げると、黒井さんは再び食事を買いに売店へと向かった。その後ろ姿を苦笑いで見送る僕。
――はぁ、しかし、何なんだろう。なんかさっきから不自然に変なことが起こる気がするというか――本当に、黒井さんがただ単にドジってだけなんだろうか……?
そんなことを考えながら黒井さんが戻ってくるのを待って、それから、2人で他愛ない話をしながら食事を済ませた。
食事後、Tシャツを買うため、2人でお土産屋さんへと向かった。
いろんな柄のTシャツが売っている。僕は適当にその中の1枚を選ぶと、レジへ向かおうとした。
僕が手にしたTシャツを見て、黒井さんがいつもの笑顔で言った。
「そのTシャツかわいいです~。私も買いますー」
……えっ……。って、それって、ま、まさかのペアルック……!? いや、僕はこの場で着替えるとしても、黒井さん着替えはしないけどさ! し、しかしっ……お、お揃いとか……! きっと黒井さんは単純にこの柄がかわいいと思って買おうとしているだけであって、別に僕とお揃いにしようとしてるわけではなくて、何も考えていないんだろうけども。ていうか、むしろ、僕が別のTシャツを選んだ方がいいんじゃないのかとか。
思わず色々考えて動揺してしまう。
――そうだ。うん、黒井さんは何も考えていないんだ。だからこそ、ここは……。
「ありがとーございましたー!」
元気な店員の声を背に、店を後にする。
――結局、同じのを買ってしまった……! だって、なんかさ、せっかくだし、これはなんていうかチャンスっていうかさ……! お揃いの買っても、許されるよね?
ふと、黒井さんを見ると、彼女は、僕が着替えたTシャツと自分が買ったTシャツを見比べていた。
そして、笑顔でとんでもないことを言った。
「お揃いですねぇ」
……な、なにこれ。わかって言ってるのかどっちなのか……!?
もう僕の心臓はバクバクです。止まれ! 僕の心臓! いや、止まったら困るけど!!
でも……僕、うぬぼれていいのかな? なんかすごくいい感じな気がしてる。
けれども。なんというか――これは結果オーライというか、悪かったような良かったような感じで。
まだ何か変なこと起きたりするのかなー……? なんて、ちょっと不安に思ったりした。
しかし、それは杞憂だったようで、その後は割と平和で楽しい時間を過ごしたのだった。
僕、『川野辺 葉乃』は『黒井 姫』さんとデート中だけど、色々事件も起きてたり。それでも、なんだかんだでいい感じ!?
『神成 躍人』と『千羽 緋路』、『今池 輝也』は出てこないので、あしからず。
それからグラスを買い直して、少し遊んだ。
気付けば、なんだかんだでもうお昼近くになっていた。
僕らはフードコートへと入り、それぞれに食べたいものを買うことにした。
――本当は、お昼もおごってあげたいところだったけれど、その申し出はしっかりと断られてしまった。
そうだよね。まだ付き合っているわけでもないしね! いや、そもそも男がなんでもかんでもおごってあげるとかいう考え自体が間違いなのかもしれない。それに、正直なところ、僕もそんなにお金を持っているわけでもないし(グラスも買い直して予想外の出費が……)、実は、断ってくれたのはありがたかったりして。
まぁそんなわけで、お互いに食べたいものを買い、席へと移動した――その最中の出来事だった。
「キャッ……!?」
本日2度目だ、黒井さんが派手に転ぶのは。
「だ、大丈夫……?」
そう彼女に声をかける僕。
今度は、荷物を入れていた斜め掛けバッグは無事だったみたいだが……ぶっちゃけ、無事じゃないのは僕の方だった。
当然、彼女が手に持っていた食事は盛大にぶちまけられたわけで。それが僕の服に見事ヒットしたわけで――……。
「ああああああぁぁぁぁ!!!! す、すいません……!! 服が……! ごめんなさいぃ……!!」
涙目で、見てるこっちが恐縮するくらいに恐縮して謝る黒井さん。
し、しかし、悩んで買ったばかりの新品の服が……! でも涙目の黒井さんかわいいな、うん。
「だ、大丈夫だよ。後で代わりのTシャツ買うから……」
「じゃ、じゃあ、後で、あの、Tシャツのお金を……!」
困ったように言う黒井さん。しかし、いくら黒井さんのせいとは言えわざとやったわけでないのはわかっているし、そんなもの受け取る気にはなれなかった。
「いやいや、気にしないで。ほ、ほら、それより、もう1度お昼買ってきたら?」
「でも……」
「いいからいいから」
「うぅ……す、すいません……」
そうやって頭を下げると、黒井さんは再び食事を買いに売店へと向かった。その後ろ姿を苦笑いで見送る僕。
――はぁ、しかし、何なんだろう。なんかさっきから不自然に変なことが起こる気がするというか――本当に、黒井さんがただ単にドジってだけなんだろうか……?
そんなことを考えながら黒井さんが戻ってくるのを待って、それから、2人で他愛ない話をしながら食事を済ませた。
食事後、Tシャツを買うため、2人でお土産屋さんへと向かった。
いろんな柄のTシャツが売っている。僕は適当にその中の1枚を選ぶと、レジへ向かおうとした。
僕が手にしたTシャツを見て、黒井さんがいつもの笑顔で言った。
「そのTシャツかわいいです~。私も買いますー」
……えっ……。って、それって、ま、まさかのペアルック……!? いや、僕はこの場で着替えるとしても、黒井さん着替えはしないけどさ! し、しかしっ……お、お揃いとか……! きっと黒井さんは単純にこの柄がかわいいと思って買おうとしているだけであって、別に僕とお揃いにしようとしてるわけではなくて、何も考えていないんだろうけども。ていうか、むしろ、僕が別のTシャツを選んだ方がいいんじゃないのかとか。
思わず色々考えて動揺してしまう。
――そうだ。うん、黒井さんは何も考えていないんだ。だからこそ、ここは……。
「ありがとーございましたー!」
元気な店員の声を背に、店を後にする。
――結局、同じのを買ってしまった……! だって、なんかさ、せっかくだし、これはなんていうかチャンスっていうかさ……! お揃いの買っても、許されるよね?
ふと、黒井さんを見ると、彼女は、僕が着替えたTシャツと自分が買ったTシャツを見比べていた。
そして、笑顔でとんでもないことを言った。
「お揃いですねぇ」
……な、なにこれ。わかって言ってるのかどっちなのか……!?
もう僕の心臓はバクバクです。止まれ! 僕の心臓! いや、止まったら困るけど!!
でも……僕、うぬぼれていいのかな? なんかすごくいい感じな気がしてる。
けれども。なんというか――これは結果オーライというか、悪かったような良かったような感じで。
まだ何か変なこと起きたりするのかなー……? なんて、ちょっと不安に思ったりした。
しかし、それは杞憂だったようで、その後は割と平和で楽しい時間を過ごしたのだった。