グローリ・ワーカ   第19章:ずっと傍にいる

「はっきり言うよ。私たちは、1度殺されたの」
 マニュアが言った。
 ここは、スターダストキャッスル――マリアの占いの館。
 マニュアはマリアに未来を教えてもらおうと、今までのことを詳しく話したのだった。……ぶっちゃけると、14話の4ページと5ページの間です。
「なんかぶっちゃけた!?」
 ハイ。マニュアは続けてください。
「えっと……。……1度負けて、母親に助けてもらって――で、人生をもう1度やり直したの。人間界を救うために……。……だから、もう嫌だ。みんなをそんな目に遭わせたくない。できるなら、助けたい」
「いい結果が出るとは限らないけど」
 マリアの言葉に、目を伏せて頷く。
「わかってる。けれど、聞きたい。もしもまたダメだっていうなら、もっと考えなくちゃ。どうやったら人間界を――みんなを救えるのか」
「――わかったわ」
 マニュアの決心を見て、マリアはそれに応えようと強く頷いた。
 そうして、星水晶に手をかざして、瞼を閉じる。
 星水晶はマリアの呼びかけに応えるように、静かに輝き出した。マニュアは、その様子を固唾を呑んで見守っている。
 その輝きは一層増し、とうとう弾けるようにして消えた。
「……未来は……」
 マリアが瞼を伏せがちに答えた。
「――そうね……。このままだと、あなたたち7人のうち――4人が死にます」
 ナチュラルにピュウが削られてる件。
 その答えを聞き、マニュアはどこか宙を見つめて呟いた。
「そう……。また、繰り返すのか……」
 先ほどまで瞳に宿っていた光が、今は消えていた。
「――そう。そうか……。……でも、これは、絶対に来るとは限らないんだよね?」
「そうだよ! だから――」
 マリアが頷く。
 なにかフォローしようとしているのを遮って、マニュアは勢いよく立ち上がり、
「よしっ! 頑張ろ!」
 と声を上げた。空元気かもしれない。でも、瞳にはまた光が宿っていた。
 そして、ここから先は1度書いているので以下ry
「おいっ!!」
 ――未来はなににでも変えられるって教えてもらった。だから、大丈夫。人間は滅ぼさせやしない! 1回くらいの過ちで、諦めない!


 走馬灯か。マニュアは過去を思い出していた。
 深い深い闇を漂いながら、死を感じながら。

 ……人間は滅ぼさせない。諦めない。そう思って、私はまた立ち上がった。もしも――みんなになにかあれば、その時は――。そう始めから決意していたんだ。

 私ハ、闇を漂ってイる。
 闇ニ、溶けテいク。
 マた、あの世ニ連レて行かレるノカ。
 そレトも、コのマま闇に飲まれテ、消えてシまウノカ。

 そして――、私は世界を救うことはできなかったけど。みんなの命を、救うことができた。
 これで、いいんだ――。

 サよウナラ。


「――」


 ……誰?
 誰かに、呼ばれた気がした。

 東西南北も、上下左右さえもわからないけれど、ゆっくりと振り返る。
 静かに、手とも区別のつかない感覚のそれを、出せる力いっぱい伸ばしてみる。

 私を呼ぶのは、誰?


「――…………チャ……ん……ッ!」


 ――……!




「お姉ちゃん!!!!」