グローリ・ワーカ   第2章:災難

「うぅー……し、死ぬ…………」
「うー……具合、悪ぃ……」
 なんとか立ち上がったティルとストーム。
 マニュアは心配そうに。
「まだ、そんなに具合悪い?」
「「悪い!」」
 同時に怒鳴って、また頭を抱える2人。
 ――あの後、だいぶしてから、復活の粉を使えばいいことにやっと気付いたマニュアだった。
 ……といっても、本人が気絶させたことについてはまったく気付いていない。
「それにしても、凄いなぁー! 魔物を呼び出すのも凄かったけど、魔物と仲良しになるのも凄かった! ほんとうになんであんなことできんの!?」
 マニュアは興奮気味だ。
 ティルは笑っている。
「俺はおまえが吟遊詩人だってことのほうが不思議でたまらん」
 ストームが横から言う。
「な、なんで……?」
「音痴じゃなれるわけねーだろ! それにキレーじゃねーとな!!」
「え!?」
「最初マニュアちゃんと出会ったとき、遠くからものすごい騒音が聞こえて……行ってみたらみんな倒れてて地獄絵図ってやつだったなぁ……」
 ティルまでもがそんなことを言う。
「みんなシツレーだぞっ! まったくもうっ!!」
 マニュアが憤慨して訴えるが、それだけ言われてもしかたのないほどの歌なのだが……それに本人はやはり気付かない。

 そうこうしているうちに、次の町が見えてきた。